オーストラリア中央銀行「仮想通貨はまだ普及しない」 開発不十分と指摘

オーストラリアの中央銀行は、現存の金融システムが効果的に機能している限り、同国で仮想通貨は普及しないだろうとの見解を示した。6月20日に公開した文書の中で述べた

オーストラリア準備銀行(RBA)の決済ポリシー部門のアナリストがまとめた報告書によると、近い将来にオーストラリアでの小売決済に仮想通貨が使用される割合はほとんどないと結論付けている。

その理由として、仮想通貨の3つの特徴、分散型、スケーラビリティ、セキュリティのうち解決できるのはよくて2つだとされる「スケーラビリティ・トリレンマ」について説明。仮想通貨は常に、なんらかの機能を欠いている状態で、こういった種類の資産は魅力が少ないとしている。

「ブロックチェーンのスケーラビリティが増加すれば完全な分散型である必要がなくなるか不安定になる。しかし分散型がすすめば、安全性に欠ける」


RBAは、仮想通貨はまだ普及しない理由としてボラティリティもあげている。フェイスブックが2020年に公開するとしている仮想通貨「リブラ」のプロジェクトについても触れ、法定通貨に裏付けされているステーブルコインとすることで変動性の問題を解決することが期待されるが、その一方で中央集権的にステーブルコインを裏付ける資産の購入と管理を行うため、分散型という意味合いは失ってしまうとしている。

また、オーストラリアでのステーブルコインの発行について、「豪ドルとリンクしたステーブルコイン」による決済への活用は「かなり限定されている」としている。2018年9月に公開した初の豪ドルにペグしたステーブルコインAUDRampは、137トークン発行後に完全に価値を喪失したと述べている。2019年4月に公開したステーブルコインTrueAUDは、「トークンが発行された形跡がない」という。

RBAは、今回公開した報告では、仮想通貨は同国で普及するほどまだ十分に開発されていないと結論付けている。

「現時点での開発では、仮想通貨の信頼性、機能性、信用性すべてに著しさはない。大衆が日々の決済に使用する現存の決済システムにとってかわるほど魅力的なものではない」


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版