オーストラリア国税庁(ATO)は、ビットコインを使った新しいタイプの詐欺について注意喚起した。その詐欺は、詐欺師から偽の税金滞納書が送られてきて、ビットコインもしくはほかの仮想通貨を使って支払うように求めるものだ。国税庁が14日、発表した。
国税庁のカース・アンダーソン副長官は、この新しいタイプの詐欺が昨年から現れたと述べた。偽物の税金滞納書には「新しい税金の納付方法に対応して欲しい」として、仮想通貨での支払いを求めていた。
アンダーソン氏によると、詐欺師たちは、この方法で5万豪ドル以上のビットコインを手にしたという。同氏は、詐欺師に奪われた仮想通貨を取り返すことは非常に難しいとし、その匿名性の高さを強調した。
「詐欺師たちは、あなたのお財布から隙あらばお金を騙し取ろうと狙っている。残念なことですが、詐欺師らが仮想通貨の人気や匿名性の高さに乗じてくることは避けられないよだ」と述べた。
しかし、このビットコインを使った詐欺は、ほかの国税庁を騙った詐欺に比べれば、少額の類だ。国税庁によると、昨年1年間、この種の詐欺による被害額は240万豪ドルにのぼり、約8万件の被害届があったという。国税庁は、今後も同様の詐欺の気を付けるように警告した。
最近の仮想通貨を使った詐欺事件は、詐欺師らがツイッター上でイーロン・マスクやチャーリー・リー(ライトコインの創始者)といった有名人に成りすまして、使って金をだまし取ろうとするものだ。
また国税庁は2日、仮想通貨の取引益を脱税するケースがあれば、それを追跡する考えだと発表した。昨年5月、豪州政府はビットコインを「お金のようなもの」として扱い、二重課税の対象にならないようにすると発表した。