監査法人KPMGが仮想通貨による金融犯罪についてレポート、資金洗浄の手法を解説

 国際的監査法人最大手の一社であるKPMGが、スイスにおける金融犯罪に焦点を当て、そこでの仮想通貨の役割にも一部を割いた調査報告書を発表した。コインテレグラフドイツ版が28日に報じた。

 KPMGはその調査報告書のなかで、資金洗浄や金融犯罪における仮想通貨の役割にページを割き、デジタル通貨による資金洗浄に利用される手法について詳細に解説している。金融機関各社に向けた文章で、KPMGはこのような状況に取り組むためのヒントについても詳細に説明した。

 KPMGによると、前科がなく、身元が確かで、ネット上のプロファイルもクリーンな共犯者の助けを借りて、取引所で仮想通貨を購入するか、仮想通貨ATMで現金やデビットカードで引き出すことで資金洗浄が行われる可能性があるという。KPMGの報告書には以下のようにある。

「資金洗浄を行う者たちは、ミキシング(タンブリング)サービスを利用することでプライマリーコインのアドレスと一時的なデジタルウォレットのアドレスを交換してブロックチェーンを欺き、監査トレーサビリティを確保できなくする。もう1つの戦略として、 不正な受け取りアドレスを利用してトランザクションをバックアップアドレスへとルーティング変更し、監査トレーサビリティを確保できなくする方法もある。その後、ミキシングされたプライマリーコインはデジタル取引所に送金されて匿名通貨の購入に充てられる」

 仮想通貨による資金洗浄という特異性を考慮すると従来の対資金洗浄戦略にはもはや頼れない、とKPMGは主張する。

 KPMGは次のように述べ、金融機関や取締機関が協力して一段と効果的に資金洗浄に対抗するよう提案している。

「取締機関は急速な進化を続けるこの分野に対抗するため、さらに最新で、かつ対象を明確にした基準を用意する必要がある。そして、金融機関も責任を持ってそれぞれのシステムやプロセスで可能な限りのリスク軽減を確実に行う必要がある」

 仮想通貨を使って資金洗浄を行うという手法は、かなり以前より仮想通貨の非難の理由になってきた。大手仮想通貨取引所のビットフィネックスは4月、ポーランドの銀行で資金洗浄が疑われて押収された金と「関連」があるとしてポーランド検察庁に告発されている

 2018年3月には、G20各国も国際共同規制の制定を目的として、資金洗浄に利用される仮想通貨の議題で意見交換を行っている