韓国の警察が、2018年5月からの6ヵ月間で計212億ウォン(約20億6800万円)以上を約5万6000人からだまし取った仮想通貨詐欺の容疑者グループを逮捕した。この事件では、キーワードを使って容疑者を識別できるよう、ソウル特別公安局が訓練したAIが利用されたという。韓国の英字紙コリア・ジャンガン・デイリーが4月8日に報じた

同局第2次調査チームの課長ホン・ナムキ氏は、「 ポンジ(Ponzi)、融資、勧誘などのキーワードを通じて、 出資金詐欺(ポンジ・スキーム)のパターンをAIに教えることができた」と述べた。ポンジ・スキームは、高配当をうたった投資案件としながら事業や資金運用は行わず、新規出資者から得た資金を既存出資者に回す自転車操業のような詐欺形態を指す。

またナムキ氏は次のように続けた。

このプログラム(AI)は、広告パターンを識別できるほか、匿名の情報提供者によって提供された証拠により問題の企業を特定できる。

コリア・ジャンガン・デイリーによると、今回の事件では、「リー」と「ベ」という名前しか知られていないCEOが、会員制ショッピングサイトの会員収集・会費徴収システムを構築し、新規勧誘に成功した会員には現金とMコインと呼ぶ仮想通貨で報酬を支払っていた。Mコインは投資家などへの販売も行っていたようだ。

また容疑者グループは、他の仮想通貨詐欺同様に知識の欠如を利用したようだ。

ナムキ氏は、「我々が張り込みを行った際に、容疑者による勧誘セミナーに参加しているほとんどの人は、60代から70代の高齢者であることを確認した」と付け加えた。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 Artificial Intelligence Helps South Korea Police End $18 Million Crypto Ponzi Scheme