仮想通貨カストディ会社アンカレッジ・デジタルの法人クライアントは、保有しているトークンに関する提案に対する懸念を、高額なガス料金を支払うことなく表明できるようになった。

5月16日の発表によれば、アンカレッジは、オフチェーンでガスレスのマルチガバナンス・クライアント「スナップショット」を統合し、トークン保有コミュニティユーザーがガス料金を支払わずに、ガバナンス提案に対してトークンで投票できるようにする。

アンカレッジ・デジタルは、「アンカレッジ・デジタルのアドレスを使用してスナップショットから投票に参加できるようになった」と発表した。ウォレットコネクト統合により、資金の移動なしでアンカレッジのカストディ内で投票が行われるという。

スナップショットは、AAVE(AAVE)、Lido(LDO)、BitDAOなどの分散型プロトコルで使用されており、オフチェーンで投票を記録するため、ブロックチェーン上に公開される取引がない。アンカレッジによると、このアプローチの利点は「利便性」だという。「スナップショット投票は、投票がオフチェーンでカウントされるため、ガス支払いが不要で無料である。決定を実施する責任は通常、プロトコルチームが運営するマルチシグに委ねられる」と語っている。

アンカレッジは現在、「60種類以上のERC-20トークン」をサポートしており、将来的には該当するすべてのERC-20トークンに対応する予定だという。

アンカレッジは10月に、アジアでの事業展開を拡大し、Bitkub、DreamTrade、FBGキャピタルを含む5つの新たなパートナーを発表した。アジアの消費者は「仮想通貨を熱狂的に受け入れている」と述べていた。

スナップショットは最近、AAVEとLDOトークン保有者から、各プロトコルの最新のアップグレードやガバナンス提案に関する投票を集めるために使用された。

投票システムは、誤ってトークンを間違ったアドレスに送信したAAVEユーザーにも有益だった。2022年7月、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)仮想通貨の流動性ステーキングソリューションであるLidoファイナンスを管理するガバナンス機関LidoDAOは、LDOトークン供給の1%を1450万ドルでドラゴンフライ・キャピタルに送る提案について、スナップショット投票を実施したが、トークン保有者によって否決された。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン