ヤーン・ファイナンス(Yearn Finance)によるyETHのローンチが、イーサ(ETH)市場への買い圧力の新たな増加につながる可能性があると、アナリストは予測している。このyETHは、ユーザーがETH預け入れることで、利回りが最高となるように分散型金融(DeFi)プロトコル/戦略を自動的に生成するものという。
ヤーン・ファイナンスによるyETHは、ユーザーがETHをプールする「保管庫(Valut)」となる。ヤーンの「保管庫」は、ユーザーは預け入れるだけで収益を最大化するために必要な労力と研究を排除しながら、最高の利益を保証することを目的としている。これは、「ヤーン」のブランドを巡るハイプと相まって、ETHの需要を押し上げると予想されている。
仮想通貨コミュニティからは、このスキームで保証された利回りが、ETH2.0のロールアウトのフェーズ0でイーサリアムステーキングに利用されたかもしれない資金を引き付ける可能性があると指摘されている。アンソニー・サザーノ氏は「yETH保管庫は、ETHのブラックホールになる」と述べており、ETHがひとたびyETHに預けられたら、そこから出てくることは難しくなるのではないかと指摘している。
The yETH vault from @iearnfinance is going to be a black hole for ETH.
— Anthony Sassano | sassal.eth (@sassal0x) August 31, 2020
That is, once ETH goes in, it is going to be very hard for it to come out.
Now think about what this does to the price of ETH.
ナゲッツ・ニュースの創設者であるアレックス・サンダース氏は、yETHには大きな可能性があると考えている。
「私をワクワクさせ、ETHをさらに強気にさせる新しいプロダクトが、yETHだ。これにより、イーサリアムの触媒の長いリストが追加され、利用可能な供給も減少することになる。ETHを所有している人ならだれでも、ETHをHODLすることで自動的に最高の収益を得ることができる」
ただし、いくつかの仮想通貨メディアでは、ヤーン・ファイナンスのETH「保管庫」が投票にかけられたと報道されているが、プロジェクトのガバナンスフォーラムのスレッドでは、まだ投票が行われていないことを示唆している。
ヤーン・ファイナンスの創設者であるアンドレ・クロンジェ氏は、8月21日のツイートで、ETH「保管庫」のコミュニティ構築戦略が「近いうちに公開される」とツイートしていた。次に8月31日、プロジェクトテストのテスト候補がローンチされたと、ツイッターユーザーの「Farmer John」がツイートしている。
しかし、ヤーンの開発者であるBantegは、「これはステージング環境でのリリース候補(本番環境のテスト)である」とリプライしており、「いくつかの改善すべき点を既に特定しているので、ほぼ確実に別の展開が行われるだろう」と述べている。
一方、ヤーンのガバナンストークンYFIの需要も高まっており、YFIトークンは3日間で価格が2倍以上になり、その時価総額は10億ドルを突破した。YFIは現在、時価総額で27番目に位置する仮想通貨であり、約3万4000ドルで取引されている。
YFIは他の仮想通貨に比べて高値で取引されているが、サンダース氏は、供給量がわずか3万トークンであるため、YFIがまだ成長しなければならない余地を過小評価していると考えている
DeFi Pulseによると、ヤーン・ファイナンスは現在DeFiプロトコルの中で第6位のものとなっており、7億9200万ドルの資金がロックされている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン