アメリカ経済学会(AEA)が4日、仮想通貨やブロックチェーンに関するセッションを行った仮想通貨は主流な経済学会の中でも存在感を高めている。

「ブロックチェーンとトークノミクス」と題されたセッションでは、4つの論文が発表された。

・Decentralized Mining in Centralized Pools(中央集権型のプールにおける分散型のマイニング)

・Cryptocurrencies: Stylized Facts on a New Investible Instrument(仮想通貨:新たな投資手段に関する様式化された事実)

・A Theory of ICOs: Diversification, Agency, and Information Asymmetry(ICO理論:多様化、エージェンシー、情報の非対称性)

・Tokenomics: Dynamic Compensation for Decentralized Contribution(トークノミクス:分散型の貢献に対する力強い報酬)

とりわけ3番目の論文「ICO理論」は、ICOが伝統的なベンチャーキャピタル(VC)に取って代わる可能性について言及。「VC投資家の多様性が損なわれた時」や「起業家とICO投資家の情報の非対称性が大きすぎない」などの条件が整えば、ICOが新たな資金調達手段として成功する見込みがあるとみている。

トークンを使った資金調達手段であるイニシャル・コイン・オファリング(ICO)市場は低迷している。去年第3四半期のICO調達額は2030億円で前期の9350億円を大幅に下回り、「全体的に絶望的」というレポートが去年11月に出た

ただ最近、ICO復活を期待する動きも出ている。仮想通貨取引所バイナンスが3日、トークン販売プラットフォームで「少なくとも1月に1つのトークンを上場させる」計画を発表。想通貨取引所ビットメックス(BitMEX)のアーサー・ヘイズCEOは、コインテレグラフ 日本版のインタビューに対して「ICO市場の復活するとともにイーサリアム (ETH)はすぐに200ドルを試すだろう」と予想した。

アメリカ経済学会は、米国だけでなく世界でも重要な学会で、「American Economic Review」など有名な学術誌を出版している。