ディーカレットは1日、同社の全株式をアンバーグループの日本法人であるホエールフィン・ホールディングス・ジャパンに譲渡したと発表した。アンバーグループによるディーカレットの買収は先月、一部報道でその動きが報じられていたが、今回正式に発表された形だ。今回の発表では譲渡額は明らかになっていないが、先月の日経報道では「数億円とみられる」と報じられていた。

アンバーは香港を拠点として、仮想通貨投資プラットフォームを展開している。同社は2021年6月の資金調達ラウンドで、その企業評価額が10億ドル以上となり、仮想通貨ユニコーン企業の1社となっている

ディーカレットは既に持株会社ディーカレットホールディングスを設立しており、その傘下に仮想通貨事業のディーカレットとデジタル通貨事業のディーカレットDCPを持つ形となっていた。今回ディーカレットがアンバーグループに譲渡されたことで、ディーカレットHDはデジタル通貨事業にその経営資源を集中させることになる。

今回の事業譲渡の後も引き続き、ディーカレットは顧客へのサービス提供を継続する。アンバーグループは、今回の買収で本格的に日本に参入することになる。同社はプレスリリースの中で、「アンバーグループとディーカレットのシナジーを生かす」としている。

アンバーのマイケル・ウーCEOは、「日本は重要な暗号金融市場として非常に大きな戦略的価値を有している」と指摘し、「日本でのプレゼンスを拡大するためにホエールフィン・ジャパンとディーカレットの長所を統合させていく」と述べている。