ドレイパー・アソシエイツの創業パートナーでベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパー氏は、アルトコインは最終的にビットコインを強化する役割を果たす可能性があると述べた。アルトコインが新しい機能や技術の実験場となり、その成果がビットコインに取り込まれることで優位性が高まるという。

月曜にCNBCに出演したドレイパー氏は、今後も多くの仮想通貨が誕生するとし、それがビットコイン(BTC)のドミナンスを拡大させると語った。

「競争は世界にとって良いことだ。最初のブームではビットコインの市場シェアは40%だった。次のブームでは50%となり、今は61〜62%まで上昇している」と同氏は指摘した。

さらに「時間の経過とともに、支配的なサプライヤーが最も強力なネットワークを築き、開発者もその支配的なサプライヤーのためにプログラムを構築するようになる」と付け加えた。

CNBCに出演したドレイパー氏(右) Source: YouTube 

「マイクロソフトはWeb2におけるBTCだった」

ドレイパー氏は、同様の現象がマイクロソフトでも起きたと述べた。多くの開発者が最初からマイクロソフトのプラットフォーム上でアプリケーションを構築し、他の場所で作られた一部のアプリケーションも最終的には移植された。

マイクロソフトは現在、世界的なテック大手の1つとされ、WindowsのOS市場シェアは71%を超えている。

「今ビットコインで同じことが起きている。小規模な仮想通貨が実験や面白い取り組みを行い、優れたエンジニアがそれらをビットコインに移植している。その結果、ビットコインに向かう重力のような引力が生まれている」と同氏は説明した。

「他の通貨が一時的に脚光を浴びることもあるが、全体としてはビットコインに向かう大きなトレンドがある」と語った。

ただし、エレクトリック・キャピタルの最新レポートによると、ビットコインに取り組む開発者はわずか2583人で、EVMスタック(1万2931人)やイーサリアム(9094人)と比べると大幅に少ない。

「ビットコインは政府の浪費に対するヘッジ」

ドレイパー氏はまた、ビットコインは無謀な政府支出や不適切なガバナンスに対するヘッジになると改めて強調した。

同氏は「政府支出は制御不能になっている。過去100年間でGDP比の支出は急激に拡大し、減速の兆しはまったく見られない」と指摘した。

米国の政府債務は100年前の1924年に3950億ドルだったが、2025年には37.2兆ドルを超えると財務省は推計している

「このような政府支出に対する唯一のヘッジはビットコインだ。金を持つという選択肢もあるが、それは貝殻を持っているようなもので、経済を先史時代的に考えるのと同じだ」と同氏は述べた。

「ビットコインは、時間の経過とともに変化する政府の政策に対応するための代替手段だ」と付け加えた。

25万ドル予測はまだ可能性あり

ドレイパー氏はかねてより、ビットコインが25万ドルに到達し、最終的に米ドルを駆逐すると予測してきた。ただし、現時点ではその予測は実現していない。

「長い間、ビットコインは25万ドルに達すると予測してきた。まだ正しかったとは言えないが、すでにその半分まで来ている。それはとてもエキサイティングだ」と語った。

同氏は過去にビットコインが1万ドルに達すると予測し、それは2017年に現実となった。「2022年末までに25万ドル」という新しい予測を出したのは、最初の予想が当たったために再び挑戦せざるを得なかったためだとコインテレグラフに説明していた

なお、ビットコインは8月14日に12万4450ドルの過去最高値を記録したが、その後11.8%下落し、現在は10万9144ドル付近で取引されている。

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