16日からビットコイン価格11000ドルを超えて上昇したことから、アルトコイン市場は大きな打撃を受けた。一部のアナリストはアルトコインと分散型金融(DeFi)の上昇によって得られた利益がビットコインに循環したのではないかと見ている。
アルトコインが上昇する「アルトコインの季節」の後にはビットコインのドミナンス(仮想通貨全体の時価総額に占める割合)は回復する傾向にある。このドミナンス回復時にはビットコインはアルトコインを凌ぐ動きを見せる。
(出典:トレーディングビュー「ビットコインのドミナンス」)
過去2週間で、ビットコインのドミナンスは59%から61%へと反発し、ダブルボトムを形成している。このままドミナンスが回復を続ければ、アルトコインの値動きは鈍くなっていくだろう。
「アルトコインはクソだ」
起業家でポッドキャスターのアダム・カリー氏が米コメディアンであるジョー・ローガン氏とビットコインについて議論してから2週間、ビットコインのドミナンスはさらに高まった。カリー氏は当時、ビットコインは価値の保存手段であると賞賛し、市場を支配する仮想通貨としての実績を強調した。
カリー氏はビットコイン価格が900ドル前後だった際に、多くのビットコインを売却したと述べている。
「しかし、言っておくが、終末が訪れれば、ビットコインが必要になるだろう。少なくとも一つは。900ドルで大量のビットコインを得るまでは、私はアンチビットコインだったよ」
その後、ビットコイン価格は1万ドル以上に上昇し、2017年末には2万ドルの過去最高値を迎えた。過去10年間の上昇を考えると、カリー氏はビットコインは信頼できる価値の保存手段であると考えているようだ。
ポッドキャストの中でカリー氏とローガン氏はビットコインとこれに対抗するアルトコインについて議論した。
カリー氏によると、当初はビットコインを価値の保存手段として否定していた。しかし誕生から10年が経過し、ビットコインの回復力と生存可能性が彼の考え方を変えたという。カリー氏はローガン氏に次のように話した。
「私はビットコインを無料で手に入れた。人々は当初、ただビットコインを私に与えた。私は否定的だったが、10年経った現在は全てのアルトコインがクソだったよ」
これに対し、ローガン氏はビットコイン一強となることにリスクがあるかどうか聞いた。さらに他のアルトコインが共存することで、価格操作のリスクが相殺できるのではないかと指摘した。
ローガン氏は法定通貨を暗に示し、すべての通貨は何らかの操作が行われていることを根拠に質問した。
「ビットコインについての質問です。ビットコインをスタンダードにすることにリスクはあるのでしょうか。競合する仮想通貨は存在してはいけないのでしょうか。我々は一つの通貨にコミットしなければならないのか、そしてもし一つの通貨のみにコミットするならば、すべての通貨に見られるように、何らかの価格操作が行われる可能性はあるのでしょうか」と疑問を投げかけた。
カリー氏はアルトコインについては詳しくは触れなかったものの、ビットコインの実績がこうした疑問について物語っていると指摘。過去10年を通じて多くのアルトコインが失敗した価格サイクルがあったが、ビットコインは支配的であり続けたという。
2017年後半からビットコインとイーサリアム、XRPは時価総額でトップ3を維持している。この3つを除けば、残りのトップ20は頻繁に入れ替わっている。カリー氏は次のように指摘する。
「10年間のデータを見ると、ビットコインは本当に信頼できる唯一のものであることがわかる。私の見解ではビットコインは操作できない唯一のものだ」
第4四半期のビットコイン価格は?
歴史的に、第4四半期のビットコインのパフォーマンスは定まっていない。過去4年間のうちの2回は年末に大きな調整があった。
(出典:スキュー「ビットコインの四半期の終値」)
ビットコインの半減期が今年5月にあったことから、過去のデータを見ると、ビットコインは半減期から15ヶ月後に上昇する傾向がある。これから2020年第4四半期はスローペースになる可能性が高いだろう。
アナリストの間では2021年の四半期が始まる際にビットコインのパフォーマンスが上昇すると予想されている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン