中国アリババ傘下で、アリペイを手掛けるアントフィナンシャルは、ブロックチェーン技術を使い、サプライチェーン・ファイナンスの資金調達に掛かる時間を大幅に短縮することに成功した。アントフィナンシャルの責任者によれば、3ヶ月掛かっていた調達期間を数秒に短縮できるという。中国の証券日報が3日に報じた。

証券日報によれば、アントフィナンシャルは2015年にブロックチェーン開発チームを設立。すでにアリババのブロックチェーン関連の特許出願数は1000を超えている。

アントフィナンシャルのブロックチェーンのテクニカルディレクター、ヤン・イン氏は、証券日報のインタビューの中で、ブロックチェーンのユースケースとして、食品などのサプライチェーン追跡やデジタルID、サプライチェーンファイナンス、国際送金といった分野があるとし、アントフィナンシャルとして既に取り組みを始めていると語った。

特に企業のサプライチェーン関連で企業に資金を供給するサプライチェーン・ファイナンスでは、中小零細企業の資金調達に掛かる時間を短縮できる効果を強調した。従来は3ヶ月かかっていた資金調達期間を数秒にまで短縮できると、ヤン氏は述べている。

またヤン氏は、従来のサプライチェーン・ファイナンスでは、中小企業の15%にしか融資サービスをできていなかったと指摘。ブロックチェーンによる透明性が高いリアルタイムのトランザクションで中小企業のデータ不足の問題を解決し、リアルタイムでの融資ができるようになるとしている。

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