SITA(国際航空情報通信機構)と航空貨物の業界団体ULD Careは、ブロックチェーン技術を活用して航空貨物業界で年間4億ドル(約426億円)のコスト削減が可能だと主張している。SITAが3月12日に発表した。
SITAなどは、航空貨物会社がブロックチェーン技術で航空貨物コンテナ(ユニット・ロード・デバイス:ULD)を追跡・記録するプロジェクトを構想している。これにより、コストを削減し、効率をあげ、損失を減少させ、貨物の損傷を回避することが期待できるという。
記録の改ざんやサイバー犯罪、マネーロンダリング、詐欺・不正取引などのリスク軽減を目的とした認証機能も追加されるという。
ULD Careのバイスプレジデントで会計担当のボブ・ロジャース氏は、以下のように述べている。
「上海からロングビーチまでのコンテナの輸送には、最大30日間かかる。しかし、実際の海上や路上の移動は15日間で、残り15日間は、バックオフィスや紙の作業にかかる時間だ。ブロックチェーンを使用することで、この作業工程を改革できる可能性がある」
現在12社が同プロジェクトに参加しているという。エアートラベルソリューション社長のマッシス・サーフォンテイン氏は、以下のように述べている。
「我々はブロックチェーンを詳細に見ている。航空貨物業界の変革において同技術の可能性を試すことに興奮している」
サーフォンテイン氏は航空貨物だけでなく、ブロックチェーンにより航空業界全体の課題を解決する可能性もあると指摘している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン