ビットコイン(BTC)は2009年の立ち上げ以降、その位置づけが変化し続けてきた。現在の主流のストーリーは、金(ゴールド)に匹敵する価値の保存手段というものだ。仮想通貨(暗号資産)のアブラ(Abra)のビル・バーハイトCEOも、この見方に同意している。

「現在のビットコインは、時間の経過とともに伝統的な投資市場とますます相関がなくなり、最適な価値の保存手段として使われるようになる」と、バーハイト氏はコインテレグラフに語った。

ビットコインの役割の転換

2009年にビットコインが生まれて以降、驚異的な価格上昇の旅を続けてきている。1BTCが1ドル未満だったものが、2017年のピーク時には2万ドル近くまで上昇した。

ビットコインが1ドルに達した時、取引通貨としてビットコインを使うというナラティブが注目されていた。しかし、その後にBTC価格が途方もなく成長を続けてしまったため、ビットコインは価値の保存手段という別の役割が脚光を浴びるようになった。そして金と比較されるような存在となり、「デジタルゴールド」という名称を得ていくことになる。

「ビットコインを『デジタルゴールド』と呼ぶことは、私がこれまで見た中で最高のアナロジーだ」と、バーハイト氏は語っている。

ビットコインと伝統的な市場の関係

理論的には、ビットコインはメインストリームの金融市場と直接的な結びつきはない。ビットコインはボーダレスな存在であり、政府の管理から離れている。ビットコインはほかの資産とは異なる独自の値動きを示しているが、ある時点では、伝統的な市場と相関関係があるような値動きをするときもある。

「政府が無責任な経済政策を実行しているのに対して、ビットコインは伝統的な市場に対する素晴らしい保険になる」と、バーハイト氏は語っている。

「これは、これまでに作成されたグローバルな分散化のための史上最高のショーケースでもある。私たちははじめて、中央集権的なオフスイッチがない、分散化された鋳造、保管、そしてトランザクション処理システムを持つことができている」

ビットコインが非相関資産であり、投資家にとってリスクヘッジ手段となるという見方は、ビットコイン強気派の多くが示している考え方だ。

モルガン・クリーク・デジタル共同創設者でビットコイン強気派のアンソニー・ポンプリアーノ氏も、ビットコインがグローバルなリスクヘッジ手段となるとの見方を示している

今年2月のインタビューの中で、ポンプリアーノ氏は、非相関資産としてのビットコインというスタンスを主張していた。

「グローバルヘッジに関するビットコインの最も重要な部分は、それが非相関資産であるという事実だ。つまり株式が上下しても、ビットコインはそれと相関しない」

ただ、最近では、株式市場とビットコインとの相関が強まっている傾向もある。

Skewのデータによると、ビットコイン(BTC)の価格と株式市場との相関は、高い水準となっている。7月9日には米株式指数S&P500とBTC価格の相関は史上最高を記録した。