大手ベンチャーキャピタル企業のアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z) の仮想通貨部門は今年中に英ロンドンに米国外で初のオフィスを開設する予定であり、米国を拠点とする企業が海外により良い環境を求めるケースに加わる。
a16zクリプトのマネージング・パートナーであるクリス・ディクソン氏は、「予測可能なビジネス環境」を拡大の主要な要因の一つとして挙げた。ここ数か月で米国内の仮想通貨企業に対する規制当局の行動が相次いでいる中での決定となる。
ディクソン氏は英国首相との「生産的な対話」や、英財務省や金融行為規制機構といった政策当局との「数か月にわたる建設的な議論」を経て今回の決定が下されたと語った。
「ブロックチェーン技術を歓迎し、Web3を受け入れ、消費者を保護する規制を追求し、予測可能なビジネス環境を創出する地域で初の国際オフィスを開設できることを大変うれしく思っている」と彼は付け加えた。
ただし、ディクソン氏は、a16zは米国に「多額の投資」をしており、仮想通貨スタートアップに対する規制の明確化を求めるために、引き続き米国の政策立案者や規制当局と協力していくとした。
英国のスナク首相は、「イノベーションを促進しながら消費者を保護するために適切な規制と保護手段を整備した」ことがa16zの進出につながったとコメント。スナク首相はa16zの決定に「興奮している」と述べ、「これが世界をリードする投資家であるアンドリーセン・ホロウィッツが英国で初の国際オフィスを開設する決定を下した理由であり、これは我々の世界クラスの大学や才能、競争力のあるビジネス環境に対する評価だ」と語った。
新オフィスに加えて、a16zは2024年の春にロンドンで新しい「Crypto Startup School」(CSS)プログラムを開始する計画も発表した。CSSアクセラレータプログラムは、Web3分野でキャリアを築こうとする英国および国際的な起業家を引き付けることを目指す。最新のCSSプログラムでは、8000人以上の応募者があり、26社がa16zから投資を受けた。
ロンドンオフィスはまた、英国の大学と「緊密に連携」し、「ブロックチェーンベースのクラブやブロックチェーン技術が教室でより多く教えられるよう促進するための才能と支援を提供」するという。
アンドリーセン・ホロウィッツは、資産運用総額が358億ドルを超える世界最大のベンチャーキャピタル企業である。6月11日、a16zは、ロンドンを拠点とするGensynに対する4300万ドルのシリーズA調達ラウンドを主導した。Gensynは、コンピューティングパワーの売り手と買い手をつなぐブロックチェーンベースのマーケットプレイスでだ。a16zの仮想通貨分野での主要な投資先には、コインベース、アバランチ、コンパウンド、ダッパーラボ、マターラボ、オープンシー、オプティミズム、PROOF、ソラナ、ユニスワップ、ユガラボなどがある。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン