【内容修正:2023年4月5日 12時50分】「仮想通貨エコシステム全体で発生した詐欺のうち73.3%が同ネットワーク上で発生」を「ラグプルで発生した詐欺のうち73.3%がBNBネットワーク上で発生」に修正しました。

ブロックチェーンセキュリティ企業Immunefiは4月4日、2023年第1四半期において、ラグプルで発生した詐欺のうち73.3%がBNBネットワーク上で発生したと明らかにした。

Immunefiが発表した報告書「2023年第1四半期の仮想通貨損失」によると、イーサリアムとBNBチェーンがハッカーや詐欺師の最大の標的となっており、これら2つのネットワークからの損失は、合計で全体の68.8%を占めた。特に、BNBチェーンはハッカーや詐欺による損失の41.3%を占めていた。

BNBチェーンでは、いわゆる「ラグプル」と呼ばれる詐欺が顕著だ。これは、開発者が資金を集めてから製品やサービスを提供せずに姿を消すタイプの詐欺。Immunefiによると、仮想通貨エコシステム全体でのラグプルのうち73.3%がBNBチェーン上で発生していた。

Immunefiの技術責任者エイドリアン・ヘットマン氏は、BNBチェーン上で多くのラグプルが発生している理由は、オープンソースコードのフォークを奨励する文化があるためだと推測している。

「BNBチェーンは、開発者がフォークされたコードを使用する点に深刻な問題がある。セキュリティ重視のアプローチが欠けており、短期間で利益を得る方法を求める多くのユーザーを引き寄せている。そのため、このエコシステムで最も多くの攻撃やラグプルが見られるようだ」

しかし、Immunefiは、BNBチェーンでラグプルが横行しているにもかかわらず、仮想通貨コミュニティ全体ではハッキングや悪用がはるかに大きな問題であると指摘。報告書によると、2023年第1四半期における損失の「主要な原因」はハッキングであり、ラグプルやその他の詐欺を含むすべての詐欺は、損失のわずか4.3%だった。

2023年第1四半期には、分散型金融(DeFi)プロトコルから何百万ドルもの資金が奪われるハッキングや悪用が発生している。2月1日には、DeFiレンディングアプリのボンクDAOがオラクルハックの犠牲となり、1億2000万ドル(約1380億円)相当の仮想通貨を失った。2月17日には、分散型取引所アグリゲータのDexibleが200万ドル(約2億3000万円)以上をハッキングされた。さらに、3月13日には、オイラー(Euler)が四半期最大のDeFi攻撃で1億9500万ドル(約2245億円)相当の仮想通貨を失っている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン