アリババの子会社、Ant Financialによって開発された600億ドル規模のアプリケーションAlipayが、長期的な顧客の利益を目指し、ブロックチェーン技術の導入を計画している。

中国だけで4億5,000万人を超える利用者がいるAlipayは、世界で最も人気且つ巨大なモバイル決済アプリケーションだといえるだろう。Alipayの時価総額は、毎年何十億という決済を処理している世界的な金融ネットワークを提供するPayPalより大きい。

 

ブロックチェーンはAlipayと共に世界へ

 

過去数年間、Alipayは非効率な銀行システムや金融サービスの代替手段として利用されてきた。コインテレグラフが以前伝えた通り、平均的な中国人の消費者の多くがAlipayを使い給料を受取り、地元の小売店で決済を行い、オンライン上で買物をしている。

Ant FinancialのEric Jing CEOは、今こそAlipayが同社のモバイル・アプリケーションと共に世界に進出する時だと信じている。CNBCの行ったインタビューの中で、Jing氏は、今後10年以内に20億人の人々へサービスを提供するというさらなる野心的なビジョンを語っている

 

「弊社にはグローバル企業へと発展を遂げるという野望があります。それは、テクノロジーを利用し、提携するパートナー企業たちと共同して、今後10年で20億人の人々へとサービスを届けるという野望です…まだサービスを受けられていない人達へ」

 

Alipayはブロックチェーンを利用した自社ネットワークの地盤固めを計画中

 

Jing氏は、ブロックチェーン技術はAlipayがグローバルに成功するための重要な要素であると語る。より幅広い層の顧客へとサービスを提供するモバイル決済アプリケーションには、何よりもまず決済におけるコストの削減とスピードが不可欠だ。

しかしながら、ブロックチェーンの可能性を模索する金融機関や銀行の多くとは対照的に、Jing氏は改ざん不可能なパブリック・ブロックチェーンのネットワークがプラットフォームにもたらすセキュリティのレベルを強調した。同氏は、パブリック・ブロックチェーンがもたらす高い柔軟性と機能性を理解している一方、ブロックチェーンの持つ最大の財産は、そのセキュリティと分散型であるという点にあると考えているようだ。

Alipayの開発チームが、ブロックチェーンを適切なセキュリティ対策を以て導入するためのメソッドを発見した際、Jing氏はブロックチェーンが同社を運営するためのAlipayの心臓部として、”深く”組み込まれる存在になることを予期していたようだ。CNBCに対して、”間違いなく”ブロックチェーンがAlipayの根底を支える技術となっていくとも同氏は発言している。