重要ポイント

  • 93%のXRPが含み益を抱えており、利益確定の動きを引き起こす恐れ

  • XRPの大口保有者(クジラ)の動きも、XRPに下落圧力をもたらしている

この1週間、XRP(XRP)は主要仮想通貨の中で最もパフォーマンスが悪かった銘柄のひとつとなった。過去7日間で最大13.50%下落し、同期間のビットコイン(BTC)の2.25%減、イーサリアム(ETH)の0.50%減と比べても際立った下落ぶりとなっている。

XRP、BTC、ETH、DOGE、FARTCOINのパフォーマンス比較 Source: TradingView

水曜日時点でXRPは週次で約10%下落しており、値動きの激しいミームコイン──ドージコイン(DOGE)やファートコイン(FARTCOIN)──を除けば、主要銘柄の中で最低水準のパフォーマンスである。DOGEとFARTCOINはそれぞれ20%、35%近く急落している。

リップル共同創業者が1.4億ドル相当のXRPを送金

今回のXRPの下落を引き起こした主因のひとつは、リップル共同創業者であるクリス・ラーセン氏が多額のXRPを移動させたことにある。報道によれば、同氏は7月17日以降、計1億7500万ドル相当のXRPを4つのアドレスへと送金し、そのうち1億4000万ドル分が仮想通貨取引所に送られた。

この送金は、XRPが3.60ドルを超える局面と重なっており、その後10〜14%の急落につながった。

市場では、ラーセン氏による大規模な送金が「高値での売却シグナル」と受け取られ、XRPの上昇期待に冷水を浴びせた格好となった。他の投資家もこれに追随する形で売却に動いたとみられている。

XRP供給の90%以上が含み益に──売却圧力の高まりか

XRPが他の主要仮想通貨よりも大きく下落したもうひとつの理由は、供給の大部分が利益圏に入っていたことである。

グラスノードのデータによると、XRP価格が3.60ドルに達した際、全供給量の93.24%が含み益状態となっていた。

XRP供給に対する含み益の割合 Source: Glassnode

参考までに、同時期のイーサリアムの含み益供給比率は約84.70%であり、過熱圏にはまだ達していないとされる。

ETH供給に対する含み益の割合 Source: Glassnode

歴史的に見ても、含み益供給が90%を超える水準は、価格の天井と一致することが多い。利益を確保しようとする動きが強まれば、売りが連鎖し、資本が他のファンダメンタルズの強い資産へと移動する傾向が強まる。

XRP価格、短期保有者のコストベースに回帰か

XRPの今回の調整は、価格が短期的な実現価格水準に回帰するという典型的なパターンを示している可能性がある。

グラスノードのデータによると、火曜日時点で1週間〜3か月以内にXRPを購入した保有者の実現価格は、2.30ドル〜2.80ドルの範囲に集中している。XRPは現在3.13ドル付近で取引されており、直近の高値3.66ドルから大きく後退している。

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XRP realized price by age. Source: Glassnode

つまり、この1週間から3か月以内にXRPを購入した短期保有者は、2.30ドル〜2.80ドルで市場に参入しており、3.66ドル到達時には20〜30%の含み益を抱えていたことになる。

その後の価格下落局面では、多くの保有者が利確や損切りを急ぎ、コストベース付近まで戻る展開に拍車をかけたとみられる。市場心理の悪化が一段の売りを呼び込んだ格好だ。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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