ゴールドマン・サックスが保険業界の328人の最高財務責任者と最高投資責任者を対象に行った、資産配分とポートフォリオに関するグローバル調査によると、保険会社の6%が仮想通貨投資に関心を持っていることがわかった。

ゴールドマン・サックスが最近発表した年次グローバル保険投資調査では、今回初めて仮想通貨に関する質問が含まれていたが、保険会社の6%が仮想通貨への投資に関心を持っているか、もしくは現在投資していると回答していた。

同社のポッドキャスト「Exchanges at Goldman Sachs」で、ゴールドマン・サックスの保険資産運用のグローバルヘッドであるマイク・シーゲル氏は、結果が出て驚いたと語っている。

「今回初めて仮想通貨について調査したが、回答者はゼロだろうと思っていたので、その結果に驚いた。業界の回答者のうち、6%もの人が、仮想通貨に投資しているか、仮想通貨への投資を検討していると回答したのだ」

米国の保険会社だけに限ればその割合は11%となる。アジア系だと6%、欧州系だと1%であった。

レポートによると、保険会社が今後12ヶ月間に最も高いリターンを期待する資産クラスとして、仮想通貨は米国や欧州の株式を抑えて5位にランクインしている。

約2%の保険会社が現在仮想通貨投資を行っている。投資や関心を示す企業の数は少ないものの、ゴールドマン・サックスのアナリストは、このレベルの関心は「依然として注目に値する」 と書いている。

ゴールドマン・サックスが仮想通貨に関心を持つ企業を対象に実施した、仮想通貨の購入動機に関する追跡調査についてシーゲル氏はポッドキャストの中で説明している。

「私たちはこの点についていくつかのフォローアップの質問を行った。一般的に、仮想通貨に投資している、もしくは検討している企業は、市場を理解し、インフラを理解するために投資を行っている。しかし、これが取引可能な通貨になった場合、将来的にはドルや円、ポンドやユーロで行うように、仮想通貨で保険契約を結んだり、仮想通貨で保険料を受け取ったりできるようにしたいと考えている」

調査対象企業全体のうち、今後12ヶ月間に仮想通貨のポジションを増やすと答えた企業はわずか1%、現在のポジションを維持すると答えた企業は7%、今後1年間は仮想通貨に投資しないと答えた企業は92%だった。

仮想通貨への関心が高まっているにもかかわらず、16%が今後12ヶ月間で最も低いリターンが期待できる資産クラスだと答えたように、仮想通貨に悲観的な人々もまだまだ多い。全体として、仮想通貨はこの指標で3番目にリターンが低いと予想される資産クラスとなっている。

ゴールドマン・サックスのデジタル資産担当のグローバルヘッドであるマシュー・マクダーモット氏は、報告書の中で次のように書いている。

「仮想通貨市場が成熟し続け、規制の確実性が増すにつれて、さまざまな機関投資家が投資機会を探ることに自信を持ち、基盤となるブロックチェーン技術のディスラプトな影響を認識するようになってきている。私は、この市場の可能性を明確に認識しているグローバルなアセットマネージャーの採用が増加していることに、ポジティブな驚きを感じている」