ウィーンのベルヴェデーレ美術館は、投資ファンドのartèQと組んで、同館所蔵の歴史的名画をNFTとして売り出す。 今年はバレンタインデーに合わせて、恋人たちを描いたデジタルアートワークが数量限定で販売される。
世界的に最も有名な絵画の一つであり、ベルヴェデーレ美術館の目玉ともなっているクリムトの『接吻』 が、NFTとして販売される。同作品の高解度デジタルコピーが、1万個の複製不能なピースに分割されて売り出される。
NFTの購入者は『接吻』の所有者として登録されるので、バレンタインの愛の告白としてこれ以上のものはないだろう。
ベルヴェデーレのステラ・ロリッグ事務局長は、「2020年からアート界を席巻しているNFTは、デジタル時代における『所有』概念の再定義という興味深い問題に一石を投じた。デジタルの複製物を仮想のオリジナルに変換することで、新しい形の『所有』が可能となった。これを経済学的にシリアスな問題としてとらえるか、遊び心をもってとらえるかはあなた次第だ」と話す。
ベルヴェデーレ美術館は、NFT収集家から高い関心が寄せられることを期待している。ベルヴェデーレのウォルフガング・バーグマンMDは、 「歴史的名画のNFTは流通量が非常に少なく、分割された個々のピースもユニークな存在である。それらのトークンは高い価値を持つようになるだろう」 と語る。
artèQの創業者であるファーボット・サデヒアンは、 「artèQの革新的な技術とコンセプトが認められうれしい。このユニークなプロジェクトを実現するために、我々がパートナーとして選ばれたことを誇りに思う」 と述べた。
『接吻』のNFTの推定価格は、1個当たり1,850ユーロ(2,094ドル)。ホワイトリスト登録は、1月26日午後11時(UTC)に開始された。あなたも興味があれば、アートプラットフォームで『接吻』を購入することができる。2月9日には、希望者にNFTの購入権が与えられ、1万ピースのいずれかがランダムで割り当てられる。
『接吻』のNFTは、2月14日のバレンタインデーまでに正式に配布される。NFT証明書が発行され、絵画のデジタル所有部分がディスプレイされるとともに、NFTに愛のメッセージを書き込むこともできる。恋人たちは2月14日以降に、NFTに書き込まれたメッセージを見ることができる。なお、購入したNFTは、各NFTプラットフォーム上で譲渡することも可能だ。
興味のある人は、在庫僅少のため今すぐホワイトリストに登録して欲しい。詳細は、artèQ公式ウェブサイトを参照のこと。
クリムトの『接吻』
『接吻』の恋人たちは、周囲の状況に気づいていないのだろうか? 忘我の境地で抱擁しているようだ。オーストリアの画家グスタフ・クリムトは、この作品を最円熟期に描いた。愛こそが人間の存在の本質である、という寓意的メッセージがこの作品には込められている。オーストリア政府は、この作品が1908年にベルヴェデーレ川下流に設立されたモダンギャラリーで初公開されたときに購入した。それ以来、この作品は他の人間の手に渡ったことはない。現在『接吻』 は、ウィーン・アールヌーボーとヨーロッパのモダニズムの象徴と目され、世界で最も有名な絵画の一つとなっている。
ベルヴェデーレ美術館について
オーストリア美術のすべてがベルヴェデーレ美術館にある、といっても過言ではない。ベルヴェデーレ美術館は、「ヴェデーレ上宮」「ヴェデーレ下宮」「ベルヴェデーレ21」の3つの建物からなる。「上宮」と「下宮」はバロック様式の建物と庭園を持ち、ユネスコの世界遺産に登録されている。クリムトの24作品を含む歴史的名画はすべて「上宮」に集められ、世界最大級のコレクションとなっている。ウィーン・ビーダーマイヤー時代やオーストリア・バロックの時代、1900年前後のウィーン・フランス印象派の作品群も、見どころとなっている。デジタルネイティブの時代にあって、今後もベルヴェデーレ美術館が傑出した美の殿堂としての地位を保持するのは想像にかたくない。
arèQについて
ArtèQは、「イノベーション」「テクノロジー」「アート」の融合を目指す投資ファンドである。NFTおよびオークション運営に強みを持つ。同社のプラットフォームは、アーティスト、コレクター、投資家を、最先端のセキュリティ技術を用いてデジタルアートの世界へといざなう。IT、金融、芸術のスペシャリストたちが世界中から結集し、万全のサポート体制をしくとともに、最新のブロックチェーン技術へのキャッチアップにも余念がない。