米決済サービス大手ペイパル取締役も務める大手ウォレット企業ザポ(Xapo)社のウェンセス・カサーレスCEOとペイパルのダン・シュルマンCEOが、1月12日にフェイスブックライブで会談を行った。その中でカサーレスCEOは、単一の「頑丈な」ブロックチェーンが世界中の価値を動かすことになるという自身の予測について説明。そして、その役割を果たすことになるのビットコインだろうと述べた。また、ビットコインは政治と関わりのない価値基準になるだろうという見解も示した。

 アルゼンチンのパタゴニアで育ったカサーレスCEOは、銀行破綻とハイパーインフレーションで家族がすべてを失うという経験を幼少期に3回も経験。多くのテクノロジー専門家と同様、ブロックチェーン技術の誕生をインターネットの誕生になぞらえている。

 今年に入って、カサーレスCEOはビットコインの価格は最終的に100万ドル(約1億1000万円)に達するだろうという予測を示していた。12日に行われたインタビューでも同様の見解が示されたが、修正も加えられた。ビットコインと仮想通貨一般を「興味深い実験」と評し、その実験が成功すればビットコインの価格は100万ドルになるだろうとした。

「この実験が成功する可能性は50%以上あると思う。もし成功したなら世界は今とはとても違う世界になるだろうし、1BTCは100万ドルの価値を持つだろうと思っている。

 一方で「この実験が失敗する可能性も少なくとも20%はある」とも述べた。

 しかし、カサーレスCEOの仮想通貨に対する楽観的な姿勢は、価格の上昇よりもさらに野心的だ。

ビットコインがグローバルな価値のスタンダードになる。これは初めてのグローバルで政治と関わりのない価値基準だ。このグローバルで非政治的な決済の基準を伴った世界が私には見える。<中略>お金はこれまでにないほど民主化されるだろう。」

 カサーレスCEOによると、仮想通貨の未来は単一の頑丈なブロックチェーンの実現にかかっているという。そして、彼の考えではビットコインが選ばれる可能性がもっとも高い。

「単一の非常に頑丈なブロックチェーンを持つことにはとても大きなインセンティブがある。少なくとも、最終的にはどのような形であれ価値というものを動かすことになるプロセスにとっては大きなインセンティブだ。<中略>他のブロックチェーンを使ったほうがいいユースケースがあるかもしれないが、価値という点でいえばひとつに絞られると思う。現時点で、その(役割を果たす)可能性がもっとも高いのはビットコインのブロックチェーンだろう。」