ラップドXRP(wXRP)が12月にもイーサリアム(ETH)ブロックチェーンに登場するようだ。XRP保有者がXRPを介して、スマートコントラクトの実行やレンディング、アルトコインとの交換など、分散型金融(DeFi)に対応できるようになる。現在は、XRPの送信、受信、保有のみに対応している。

ラップドトークンは、該当トークンをデジタルヴォールトに保管され、別のブロックチェーン上で稼働するデジタル通貨。注目すべきラッピングトークンには、イーサリアムのブロックチェーン上で動作するラップドビットコインや、ETHをERC-20規格に変換するラップドイーサリアムなどがある。例えばWBTCを発行する場合はカストディアンにビットコインを預けて、預けた分のwBTCを受け取る。

wXRPは、XRPとの交換比率が1対1となり、カストディはHex Trustが担当する。

リップル社の最高技術責任者であるデビッド・シュワルツ氏は、2日のツイートで、wXRPは 「マルチチェーン」になると主張。一方でイーサリアムは、ガス料金の高さが課題だ。Ycharts.comによると、イーサリアムのスマートコントラクト実行1回あたりの平均ガス料金は184ドルにまで上昇している。マルチチェーンの統合により、ユーザーははるかに低いガス料金のチェーンでXRPを包むことができるようになるかもしれない。

 

リップルラボは、国際銀行間金融通信協会のような既存の金融機関を、より低い手数料とより速い決済時間で破壊しようとしている。そのために、企業向けソフトウェア「RippleNet」を開発し、国境を越えた送金を促進。しかし、取引はXRPでは行われず、同コインは流動性を提供するためにのみ使用されるブリッジ通貨として機能している。

昨年12月、米国証券取引委員会(SEC)はリップル社とその幹部2名を、2010年から2019年の間にXRPを未登録証券として投資家に販売したとして起訴した。リップル社の法務チームは、SECと和解する予定はなく、ゲイリー・ゲンスラーSEC委員長が進行中の訴訟を取り下げることを確信しているという。