ビットコイン100倍レバレッジ取引で有名な仮想通貨取引所ビットメックスのアーサー・ヘイズCEOは、マーケット関係者の間で好評の相場分析「アーサー・ヘイズのデスクから」を5月22日に更新した。

今回の主なテーマは、ヘイズ氏も本物のトレーダーと認めるヘッジファンド運用者ポール・チューダー・ジョーンズ(PTJ)氏によるビットコイン投資参入だ。すでに同氏による参入は話題になっていたが、ポートフォリオ約2%をビットコインで保有という事実以上にジョーンズ氏の参入がなぜ大きな出来事なのか、ヘイズ氏は独自のトレーダー時代の経験を基に解説した。

キャリアリスクがなくなる

ジョーンズ氏がインフレ耐性を理由にビットコイン投資を明かしたことがなぜ重要なのか?ヘイズ氏は、「平均的なファンドマネジャーがビットコインを保有することからキャリアリスクを取り除くこと」と指摘した。

「もう一度言うが、平均になることがゴールだ。平均的なマネーマネジャーなることが大事であり、定義として、ほとんどのマネーマネジャーが平均的だ。あなたは群れとともにジグザグ動かなければならない(中略)もし群れがビットコインが大嫌いで、”無政府主義者や薬物の売人、テロリストによって保有されている魔法のインターネットマネー”以外の何ものでもないと考えていれば、あなたは2009年以来もっともパフォーマンスの良い資産を避けることになる」

ヘイズ氏は、この群集心理をジョーンズ氏の一言が変える可能性があると指摘した。

「全ての世界と同様、本当に例外的なマネーマネジャーが2、3人存在する。最初はあなたの資本を守り、次に絶対的なポジティブなリターンをもたらす。PTJはその1人だ」

平均的なマネーマネジャーは十分な報酬を得る中でキャリアリスクを冒してまで特別なことをする必要がない(もっとも本人たちは必死になって自分は特別だと信じるわけだが…)。ジョーンズ氏のような例外的な投資家は「異端のテーマに投資をして、異端のテーマが主流になったら売る」とヘイズ氏は付け加えた。

「2010年、あなたはフェイスブックのニュースフィードがニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルより重要なニュースソースになって広告で稼ぐドル箱になると信じていましたか?」

ジョーンズ氏の参入とは、ビットコインを異端から主流に変えるプロセスの開始を意味する。

兆候はCMEに?

ジョーンズ氏は、ビットコインの現物を持っているわけではなく先物への投資を行っている。

ヘイズ氏は、もしジョーンズ氏が「平均的な信者たち」を引き連れることができれば、それはシカゴマーカンタイル取引所のビットコイン先物の建玉増加と険しいコンタンゴ曲線(先物価格がスポット価格よりも高い状況)という結果に現れるだろうと予想。もしジョーンズ氏だけでは不十分だったら、他の伝説たちの参戦がきっかけになるだろうと述べた。