ビットコイン(BTC)価格が下落傾向にあるにも関わらず、マイニングにおける計算力を示すハッシュレートが上昇しているとブルームバーグが16日に報じた。マイニング業界関係者の中からは、長期的にはビットコイン価格が回復すると信じていることの現れではないかという見方も出ている。

 一般的にビットコインの価格が下がるとハッシュレートは下落すると言われる。マイナーは複雑な計算式を解くことで新しいビットコインを取得するが、この計算に必要な電気代など資源が同じ場合、ビットコインの価格が下落するとともに利益率が悪くなるからだ。ただ今回ブルームバーグが伝えたデータによると、通説とは対照的にビットコイン価格が下がる一方、ハッシュレートは上昇している。

 

 (引用元:ブルームバーグ 「ハッシュレート(紫色)とビットコイン(BTC)価格(青色)の推移」)

 この現象に対してジェネシスマイニング社のマルコ・ストレングCEOは、中国マイニング大手ビットメインや韓国サムスン電子を筆頭に世界的にマイニング業界が成長していることが背景にあると指摘。より効率よくマイニングができる機器が登場していて、洗練された大手のマイニング業者が収益悪化によって市場から退出する非効率的なマイニング業者の分を補えるほど巨大化しているのではないかと話した。

 香港の仮想通貨取引所ビットメックスのアーサー・ヘイズCEOは14日、ビットコイン価格が5000ドル付近でマイナーたちはオペレーション方法を見直した、3000ドルから4000ドルになったら完全に機械を止めるだろうというマイニング業界関係者の話を引用する一方、これは最先端の7nmマイニングチップがまだ普及していないことが前提だと指摘していた。

 また、オーストラリアの仮想通貨取引所「ブロックビット」のデービッド・サッパーCOO(最高執行責任者)は、長期的にビットコイン(BTC)価格は回復すると信じる人が多いのではないかとみている。

 「ハッシュレートの上昇が意味するのは、この業界の人々が長期戦を覚悟していることを意味しているのではないか。自分たちが持っているものを蓄積し続けることに満足していて、たとえ損失が出ても運営し続けるのではないか」

 長期的な仮想通貨市場に対する楽観的な見方は少なくない。イーサリアムの共同設立者であるジョゼフ・ルービン氏は14日、最近の仮想通貨相場の低迷によって今後イーサリアムのエコシステムの成長が妨げられることはないという見方を明らかにした

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