ウィンクルボス兄弟が運営する仮想通貨取引所ジェミニは6日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)のロバート・コーニッシュ最高情報責任者(CIO)を同取引所に迎えると発表した。最近、ウォール街やIT業界から仮想通貨・ブロックチェーン業界に人材が移動する流れがある中、ウィンクルボス兄弟の取引所は、世界最大の証券取引所の幹部を獲得することに成功した。
コーニッシュ氏は、ジェミニ初の最高技術責任者(CTO)に就任。最先端技術の取り入れやナスダックのマーケット監視技術「SMARTS」の運用などを任されることになる。コーニッシュ氏は、インターナショナル・セキュリティーズ取引所(ISE)でも様々なポジションを経験しており、金融情報誌のインスティチューショナル・インベスターから金融サービス機関の幹部における「トレード技術トップ40」に選ばれた。
ジェミエのタイラー・ウィンクルボスCEOは、コーニッシュ氏は「ジェミニが利用者に最高のプラットフォーム体験を提供し、仮想通貨業界全体のスタンダードを作ることを保証する」だろうと歓迎した。
最近、仮想通貨やブロックチェーン業界に移るウォール街やIT業界の幹部が目立つ。5月にはゴールドマンサックスの元エグゼクティブ・ディレクター、プリヤンカ・リララマニ氏がマルタのベンチャー「ホールド」にCEOとして参画。富士通中央ヨーロッパを率いるロルフ・ヴェルナー氏は4月、ブロックチェーンの非営利団体IOTA財団の一員に加わった。また、昨年12月には米仮想通貨取引所最大手のコインベースが、元ペイパル代表でフェイスブックのメッセンジャー事業部を率いるデイビッド・マーカス氏を取締役に任命したと発表した。
ジェミニは4月に仮想通貨のブロック取引を開始。ブロック取引とは、大口投資家が大量の注文を行う際に市場で直接取引すると価格を動かしてしまうため、相対取引で大量の売買をさばくやり方だ。