リップルの共同創業者として知られるアーサー・ブリット氏が、2011年に同社の設立に関わって以来、初めてX上で投稿を行い、業界に衝撃を与えている。
ブリット氏は6月24日、2011年8月に開設した自身のXアカウントで初めて投稿を行った。内容は口のない顔の絵文字のみで、通常は言葉を失った状態を意味するが、その解釈はさまざまだ。
この投稿について、同じくリップル共同創業者のデビッド・シュワルツ氏はX上で「ハッキングやアカウント乗っ取りではない」と確認している。
アーサー・ブリット氏とは何者なのか?
ブリット氏は、シュワルツ氏やマウントゴックス創業者ジェド・マケーレブ氏と共に、2012年にXRPレジャーを開発。その後、同ブロックチェーン上で使用されるトークンXRPにも関与した。
彼はまた、シュワルツ氏、マケーレブ氏、クリス・ラーセン氏と共にニューコイン(NewCoin)を創設し、これが後にオープンコイン(OpenCoin)を経てリップルラボ(Ripple Labs)へと改称された。現在はリップルのアドバイザーとして名を連ねている。
しかしブリット氏の最大の特徴は、本人の存在が「幽霊」のように扱われてきた点にある。本人と確認された写真は一切公開されておらず、これまで一度もメディア取材や公の場で発言したことがない(今回の絵文字投稿を除く)。常に目立つことを避けてきたことで知られている。
また、ブリット氏はブロックチェーンインフラ企業ポリサイン(PolySign)の創業者兼代表としても名前が挙がっており、仮想通貨取引所ビットスタンプの法人登記書類でも2014年5月に取締役として記載されていた(2015年9月に退任)。
米国内の複数の裁判記録にも名前が登場しており、米証券取引委員会(SEC)によるリップル訴訟では、XRPの共同開発者として言及されている。
2015年にはカリフォルニア州でマケーレブ氏を相手取って訴訟を起こし、マケーレブ氏が設立したステラ(Stellar)がリップルのコードを流用したとして契約違反を主張した。
「実在するが、極度にプライベートな人物」
ブリット氏の謎めいた存在感から、「彼は実在しないのではないか」という陰謀論まで広がったが、複数の関係者がその実在性を確認している。
シュワルツ氏は2024年11月のX投稿で「彼は確かに実在する人物であるが、極めてプライベートな性格だ」と説明している。
また、2019年にザ・ブロックが報じたところによれば、リップルの広報チームは「彼は内向的かつ非常にプライベートな人間であり、個人的な理由から公の人物になることを望んでいない」と述べていたという。
ブリット氏の投稿後にXRPが急騰
XRPは過去24時間で8.1%上昇しており、その大部分はブリット氏の投稿から14時間以内に起きた値動きだった。
XRPは月曜午後5時(UTC)に一時1.97ドルまで下落したが、その約1時間後の投稿をきっかけに、2.20ドル付近まで反発している。
ただしこの値動きは、イスラエルとイラン間の停戦合意に対する期待感による市場全体の反発とも時期が重なっており、ブリット氏の投稿がどこまで直接影響したかは不明だ。
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