仮想通貨(暗号資産)チェインリンク(LINK)の勢いが止まらない。12日深夜にもビットコインキャッシュ(BCH)を抜いて時価総額5位に躍り出た。足元でも過去24時間で30%ほどの高騰を見せている。なぜこれほど高騰しているのかをグーグルだけでなく、分散型金融のデータからも確認してみよう。
(出典:コインマーケットキャップ 時価総額の推移)
2020年のナンバー5をめぐる戦いが、BCH、ビットコインSV(BSV)、ライトコイン(LTC)、カルダノ(ADA)、LINKの間で繰り広げられている。LINKは年初、他の仮想通貨から大きく遅れをとっていたが、急上昇し、ついには5位に浮上した。
チェインリンクはこの1年、提携や統合といった発表を次々と行ってきた。ただ、順風満帆というわけではなく、ゼウスキャピタルのレポートでは、チェインリンクは詐欺であり、ワイヤーカードの仮想通貨版などと呼ばれたりした。
DeFiスペースはオラクルプロジェクトの成功によってさらなる競争が促されている。大手仮想通貨取引所のOKExも12日、オラクルに参入することを発表。こうした競争と批判があるにも関わらず、LINKの価格はなぜ上昇を続けているのだろうか。
(出典:DeFiパルス DeFiにロックされているイーサリアム)
分散型金融は今年、一部ではICOバブルと比較する声なども上がるなど、仮想通貨業界でも大きなブームとなっている。DeFiにロックされているイーサの総額は6月中旬の10億ドルから8月上旬には45億ドルまで爆発的に増加している。
DeFiアプリは全てではないにしても、ほとんどが何らかの価格データフィードを持っている。堅牢で、分散化されたフィードはDeFIアプリの繁栄とセキュリティにとって必要なものだ。チェインリンクは分散型金融で最もよく知られたプレイヤーとなったことで、DeFiスペースの成長から最も恩恵を受けている。
(出典:IntoTheBlock 「グーグル検索とLINK価格」)
グーグルトレンドのデータによると、チェインリンクへの関心は米国や世界中で過去最高となっている。市場全体のセンチメントは価格にも影響を及ぼす。ビットコイン(BTC)への関心は史上最高値を記録した2017年後半にピークを迎えている。
このような2つのバラバラなデータソースは部分的にLINKの上昇を説明している。フレームワーク・ベンチャーズの共同設立者で、チェインリンクの初期投資家でもあるマイケル・アンダーソン氏は2020年4月時点で近く、LINKが25ドルを超えると予想した。当時のLINKは4ドル以下を推移し、全く現実とかけ離れているように聞こえた。
しかし、現在はこの予測に近づいてきている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン