ベラルーシのルカシェンコ大統領は、同国の仮想通貨マイニング産業の開発を進めるようエネルギー相に指示した。これは、余剰電力を活用して新たな収益源を確保する狙いがあるとみられる。

地元メディアBelTAの報道によると、ルカシェンコ大統領は、新たにエネルギー相に任命されたクシュナレンコ氏に対し、この方針を伝えたという。

報道によれば、「マイニングを見てみよう」とルカシェンコ大統領は述べ、「もし我々にとって利益があるならやるべきだ。電力は余っている。彼らに仮想通貨を作らせればいい」と発言した。

ルカシェンコ大統領は、米国から着想を得たとも語っている。米国はトランプ大統領の選出後、仮想通貨の世界的な首都を目指すと宣言しており、その一環としてビットコイン(BTC)やアルトコインによる仮想通貨準備金の創設を進めている

「世界が進んでいる方向を見てみるべきだ。特に世界最大の経済大国がそうだ。彼らは昨日、仮想通貨を準備金として保有すると発表した」と、ルカシェンコ大統領は述べた。

仮想通貨マイニングの可能性を検討する方針は、ルカシェンコ大統領が新政権を発足させた直後に発表された。同政権では、全長5700キロメートルに及ぶ電力網の改修が優先課題として掲げられている。「最も重要なのは、家庭や経済における電力需要の増加を考慮しながら、電力網のインフラを改善することだ」とルカシェンコ大統領は述べた。

2025年の仮想通貨マイニング

2025年においても、仮想通貨マイニングは引き続き収益を上げられる産業であるものの、エネルギーコスト、ハードウェアの効率性、規制の影響を受けることで利益率は圧迫されている。

また、市場環境も収益性に大きく影響を与え、採掘したコインの価格が継続的に下落すると収益が悪化する可能性がある。

ベラルーシは欧州の中でも特に電力コストが安い国として知られている。ベラルーシ政府の情報によると、同国の電力価格は欧州で最も安価な3カ国の1つに数えられている。

この豊富で低コストの電力に注目する仮想通貨マイナーは増えており、エネルギー省も昨年12月に関心の高まりを認めたと報じられている。前エネルギー副大臣のデニス・モロズ氏によると、政府関係者はすでに投資家との初期協議を進めており、ベラルーシをマイニングの拠点とする可能性を探っているという。