仮想通貨業界に機関投資家が参入し始めていることを受けて、仮想通貨取引所間のビットコイン(BTC)価格のばらつきがなくなってきているとビジネスインサイダーが8月31日に報じた。価格が安定することで小売店が安心してビットコインの支払いを受け入れられる環境が整ってきているかも知れない。

ビジネスインサイダーが引用した仮想通貨取引プラットフォームのSFOXの最新データによると、2018年に入って仮想通貨取引所におけるビットコイン価格の違いがほぼなくなってきている。

(引用元:SFOX ビジネスインサイダーより)

2018年以前は仮想通貨取引所間の価格差は多い時で4.5%ほどあったが、現在は0.01%付近で安定して推移している。

背景にあるのは、ゴールドマンサックスやニューヨーク証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)など機関投資家の参入だある投資ファンドによると、今年の資金流入のうち半分以上が機関投資家だったという。

また超高速取引業者(HFT)の参入も増えているという。SFOXのダニー・キム氏によると、HFTが安心して取引できるインフラが整備されてきている指摘。HFTは「FIX」と呼ばれる接続方法で取引所とつながる必要があり、最近になって取引所がFIXの提供をし始めているという。

さらに伝統的な取引所に倣った取り組みも進んでいる。ニューヨーク証券取引所やナスダックは価格マッチングのためトレーダーに対して取引所内へのコンピューター持ち込みを認めるコロケーションを採用しているが、最近ではコインベースやジェミニもコロケーションをこれを導入。ビットコイン価格の安定につながっている可能性があるという。

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