かつてウォール街で重役を務めたマイク・ノボグラッツ氏がこのほど、仮想通貨とブロックチェーンの一般普及は「まだ5、6年先」と予測した。テクノロジー関連ニュースサイトのブロクトが19日につたえた

 仮想通貨投資会社であるギャラクシー・デジタルの創業者でCEOでもあるノボグラッツ氏は、韓国で開催された「ビヨンド・ブロックス(Beyond Blocks)」会議で語り、「今後2、3年後」には多くの機関が仮想通貨業界に参入するだろうと自信をみせ、「そうならなければ我々は空回りになる」と断言した。

 しかし、仮想通貨とブロックチェーン・テクノロジーの一般普及は、早くても5年以上かかるだろう、と付け加えた。

「新しい何かを感じられるようなユーザー体験がなければ、一般に普及することはないだろう。まだ5、6年は先だ」

 ノボグラッツ氏は、広く普及するまでに大きな障害となるのは「技術人材のコスト」が上昇していることと、従来の投資家たちが抱く疑念が「金融業界に明確な先例がない」ために悪化していることだ、と説明した。

「機関投資家がどう仕事をするかを考えてみたらいい。上司に対して『私にはあなたが聞いたこともない場所に資金がある』と言うのは難しい。機関投資家が安心できるために、信用できる、よく知られた金融機関が必要だ―日本の銀行やHSBC、ICE(インターコンチネンタル取引所)、ゴールドマン・サックスのようなね」

 投資銀行家であるノボグラッツ氏は、政府がこの分野の適切な規制に取り組むことの重要性に触れた。また、一般の人々に対してブロックチェーンと仮想通貨に参画するよう訴え、ユーザーはテクノロジーを詳細に理解する必要はない、と付け加えた。

 ノボグラッツ氏は、金融規制当局が主にJPモルガンやゴールドマン・サックスのような専門機関に注目している一方、業界はほとんど個人投資家のうえに成り立っている、と主張した。さらに、規制当局は巨大な専門機関の代わりに、この小口の部門にもっと焦点を当てるべきだ、との考えを述べた。

 今年、長者番付にランクインしたノボグラッツ氏は、ゴールドマン・サックスとフォートレス・インベストメント・グループで勤務後、18年1月に仮想通貨のマーチャントバンクであるギャラクシー・デジタルを立ち上げた。投資銀行家であるノボグラッツ氏は、17年末にビットコインが1万ドルにまで急騰し、イーサリアム(ETH)は終値で500ドルになる、と予測したことで有名だ。上位の仮想通貨は、それどころかさらに倍にまでなった。昨年12月、BTCは200万ドルにまで達し、ETHは1300ドルを超えた。

 5月、ギャラクシーデジタルはブルームバーグと提携し、ブルームバーグ・ギャラクシー仮想通貨インデックス(BGCI)を設立した。