ベトナムのグエン・スアン・フック首相は、このほど起きた深刻なイニシャル・コイン・オファリング(ICO)詐欺の報道を受け、13日発令の政府指令で、ビットコインその他の仮想通貨関連活動の管理を強化するよう、行政や金融機関に要請した。

 「仮想通貨の投資や取引や、ICOによる資金集めは、より複雑な方法に進化している」と政府は警告し、これらの進化が金融面のみならず国内の社会秩序にも危険を及ぼしている指摘とした。

 ロイター通信によると、首相はベトナム国立銀行に対し、仮想通貨関連の金融サービス全てを厳しく取り締まるよう通達し、司法省に仮想通貨や仮想資産の管理に関わる法的枠組みを完成させるよう要請した。

 この動きは、史上最大規模の仮想通貨詐欺となる可能性がある事件を受けて行われた。ベトナム拠点のモダン・テック社が、2つのECR20トークンであるアイファンとピンコインのICOで、3万2000人の投資家から15兆ドン(約706億円)を詐取したと言われている。

 ハード・カーレンシーの払い出しが行われないため、8日にはモダン・テックのホーチミン本社の外でデモに発展した。ロイター通信によると、モダン・テック社のチーフディレクターであるホー・スアン・バン氏の携帯電話は、11日にから電源が切られたとう。

 ホーチミン警察署長レ・ドン・フォン氏は、当局は被害者による正式な告訴を受けてから捜査を開始すると述べ、「仮想通貨や仮想通貨取引はすべてベトナムでは違法だ」と強調した。