テッククランチの報道によると、ベンチャーキャピタル企業であるベッセルキャピタルは、Web3のインフラとアプリケーションに投資するための5500万ドル(約80億円)のファンドを設立する。このファンドの目的はスケールアップすることではなく、アーリーステージのプロジェクトを支援し、成長させることだという。
「仮想通貨はよりグローバル化しており、2018年から2020年に見たようなサークルやグループではない。我々はもっと多くの人々を支援したい」と、共同創設者の一人であるミルザ・ウディン氏は語った。ウディン氏はベッセルの他に、インジェクティブラボのビジネス開発責任者でもある。他の共同創設者には、インジェクティブプロトコルのCEOであるエリック・チェン氏と、レイヤー1ブロックチェーンのXIONを構築するWeb3企業バーントの共同創設者であるアンソニー・アンザローネ氏が含まれる。
このファンドの資金は5年間にわたって展開される予定だ。ウディン氏は、スタートアップの創設者としての経験が、ベッセルに起業家のニーズを理解する上で有利な立場を提供すると考えている。「しばしば、VCは彼らが投資しているものに専門知識を持っていない」と彼は指摘し、「世界には十分なVCがあるが、実際に欠けているのは実際のガイダンスとアドバイスだ」と付け加えた。
ベッセルのデビューは、仮想通貨ベンチャーキャピタルの投資が低迷している中で行われる。コインテレグラフリサーチのデータによると、6月には投資取引が29.73%減少し、62件の取引から7億7932万ドルが調達された。大手VCのセコイアキャピタルは最近、流動性の締め付けと小規模な仮想通貨企業へのシフトを引き合いに出し、仮想通貨ファンドの規模を5億8500万ドルから2億ドルに縮小した。
ただし、Web3のインフラは依然として人気の投資対象だ。先週、バイナンスのベンチャーキャピタル部門であるバイナンスラボは、ゼロ知識証明計算をサポートするデルフィニウスラボへの戦略的投資を発表した。「Web3のインフラとアプリケーションは、新たなインターネット経済の基盤を根本的に再定義し、より革新的で分散型、資本効率の高い社会につながる」とウディン氏はLinkedInで書いている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン