ベネズエラで仮想通貨を規制する新たな法律施行 政治情勢は混迷深める 欧州諸国は暫定大統領を承認 

ベネズエラの仮想通貨業界の法的枠組みを構築する新たな法律が1月31日に施行された。同国の官報ガセタ・オフィシアルに掲載された。ただし、ベネズエラの政治情勢は混迷を深めており、この法律が実際に機能するかどうかは不透明だ。

仮想通貨のマイナーや起業家、トレーダーに関する規則を定めた一連の同法案は、17年に発足したベネズエラ制憲国民議会において18年11月に承認された

仮想通貨に特化した規制機関設立

「暗号資産の統合システムに関する制憲令」と題された同法令には63の条項が含まれ、「暗号資産」、「ブロックチェーン」、「マイニング」、「暗号」といった主要な仮想通貨関連用語を定義しているほか、ベネズエラで発行され同国政府が承認する「ソブリン暗号資産」の概念を提示している。

また、マイニング事業者および仮想通貨取引所のライセンス取得を義務づけ、無許可の活動には罰則が課される。

同法令により、18年に設立された国家機関Sunacrip(Superintendencia Nacional de Criptoactivos)はベネズエラ国内における仮想通貨関連の商業活動全体を監視できるようになる。同法第11条によると、同機関は、仮想通貨マイナーや仮想通貨取引所といった、ベネズエラの仮想通貨市場に関わりうる全ての金融サービスを監視する役割を担う。

さらに同条では、Sunacripはベネズエラ国内における全ての仮想通貨の「作成、発行、送金、商業化および交換」をコントロールできると定めている。

スペイン語の仮想通貨メディア、クリプトノティシアスによると、Sunacripは同条により、中央集権型、分散型に関わらず、ベネズエラ国内で活動する国内外の全ての仮想通貨商業プラットフォームをコントロールできると報じている。

さらに同法令は、仮想通貨取引所、ウォレット、マイニング事業者の登録制度についても定めている。同法第28条は、仮想通貨スタートアップのライセンスについて、取引額や扱う暗号資産の種類などの基準に応じて異なるライセンスを設けるとしている。またSunacripは、全てのライセンス申請を管轄し、独自に手数料を設定するとみられる。

仮想通貨関連事業者がライセンス規則に違反したり、Sunacripへの登録を怠った場合は、事業者は最長1〜3年の懲役および50〜100ソブリン暗号資産(3000〜6000ドル)の罰金が課される。

また、マイニング事業者が新たな規則に従わなかった場合は、Sunacripは事業者を調査し、機器を押収することができる。同法第37条は、ハードウェアは押収され次第、処分または「社会的目的」のために利用できると定めている。

ベネズエラが発行している仮想通貨ペトロについては、この法令の中では直接言及されていない。ただし、ベネズエラで発行され、政府によって承認されているという特徴は、法令の中で説明されているソブリン暗号資産の説明と一致する。

混迷深めるベネズエラ情勢

今回、仮想通貨に関する法律が施行されたが、ベネズエラの政治情勢は混迷を深めている。この法律が実際に運用されることになるかどうかは不透明だ。

ベネズエラではマドゥーロ大統領に反発する動きが拡大。1月23日にはグアイド国会議長が、暫定大統領に就任すると宣言し、米国や南米諸国などが支持を表明。2月4日にはイギリスやフランスなど欧米諸国もグアイド氏を暫定大統領として承認すると発表した。

欧米各国や南米諸国などは、早期に大統領選挙を行うことを求めている状況だ。1月30日や2月2日にはベネズエラではグアイド氏の呼びかけにより、大規模な反政府デモが行われた。