チリペソ予想レンジ 1ドル=780~820ペソ
チリペソは11月28日に1ドル=839.30ペソと過去最安値を更新。年初からの下落率は約16%に達した。資源輸出の低迷による景気悪化だけでなく、政情不安の高まりが背景にある。首都サンティアゴの地下鉄運賃引き上げから始まった反政府運動が長期化しているのだ。
通貨の急落を受けて、チリ中央銀行はペソ買い・ドル売り介入を発表した。12月2日から実施されるが、外貨準備の約半分にあたる総額200億ドル(約2兆1900億円)を投じるという過去20年で最大規模だ。
しかし、政情不安が続く限りは大規模な為替介入も効果は薄いと市場では見られている。南米ではブラジルやアルゼンチンも通貨が最安値圏にある。このまま通貨安の連鎖が止まらないようだと、南米全体の経済や金融市場に危機が広がる恐れがあるので注意が必要だ。
チリペソ テクニカル分析
ペソ買い・ドル売り介入発表で、29日は大幅にドル安・ペソ高が進んだ。一旦ペソ安の動きは止まりそうだが、トレンドは依然としてペソ安だ。ボラティリティが高い状況が続きそうだが、20日移動平均線(781ペソ)が当面の下値メドになるだろう。