米財務省の外国資産管理局(OFAC)と金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は、仮想通貨取引所Bittrexに対し、制裁プログラムおよび銀行機密法(BSA)に基づく報告義務に違反した容疑で執行措置を下した。

10月11日の発表によれば、Bittrexがクリミア地域、キューバ、イラン、スーダン、シリアに拠点を置く個人が2014年から2017年の間におよそ2億6300万ドルの仮想通貨取引を行うことを防止せず、「複数の制裁プログラム」に違反したが、米財務省と2400万ドル以上の和解に合意した。米財務省によると、Bittrexはインターネットプロトコルアドレスを使用して、制裁対象国のアクセス可能な位置情報に基づいてユーザーをスクリーニングしていなかったとのことだ。

米財務省OFACのアンドレア・ガッキー局長は、「仮想通貨企業が、制裁対象地域に所在する顧客のスクリーニングを含む効果的な制裁遵守管理を実施できない場合、米国の国家安全を脅かす不正行為者の手段となり得る」と述べている。「世界中で営業している仮想通貨取引所は、誰が、そしてどこに顧客がいるのかを理解する必要がある」としている。

さらにFinCENは、Bittrexが2900万ドル以上の支払いに合意した執行措置を発表した。

FinCENによると、Bittrexは2014年から2018年にかけて「効果的なAMLプログラムを維持することができなかった」と述べている。FinCENはさらに、Bittrexが2014年から2017年にかけて、制裁を受けた法域における多くの取引を、疑わしい活動報告書を通じて文書化していなkったと指摘した。

Bittrexの広報担当者は、FinCENやOFACからの「申し立てはどれも」2018年以降の取引所の実務に関連するものではなく、「この問題を完全に解決したことを嬉しく思う」とコインテレグラフに述べた。同社は、制裁およびマネーロンダリング防止ポリシーの遵守を見直すために「第三者の専門家やサービスプロバイダーを採用した」と付け加えた。

2020年12月、米財務省は、デジタル資産カストディアンのBitGoが2015年から2019年にかけて、同じ制裁対象地域の多くであるクリミア、キューバ、イラン、スーダン、シリアの居住者に仮想通貨取引を許可したことをめぐり、BitGoと98830ドルの和解を発表している