2月24日の米株式相場は急落し、ダウ工業株30種は平均執筆時点で1000ドル以上も下落した。一方、仮想通貨ビットコイン(BTC)も下落しているが、株式市場との相関に関しては疑問視する声が出ている。

(出典:Coin360 日本時間2月25日6時10時点)

ドイツやフランスなど欧州の株式市場も売り一色となった。新型コロナウイルスの拡大が報じられたイタリアの代表的な株価指数はFTSE・MIB指数が前週末比5%超も下がった。

世界的な株安の背景にあるのは新型コロナウイルスの中国以外での拡大だ。先述のイタリアのほか、イランや韓国などでも感染が広がっている。

一方、安全資産である金(ゴールド)は上昇。ニューヨークの商品市場で金先物が1トロイオンス1676.60で取引を終了し、前日比で1.7%上昇した。金先物は先週7年ぶりに1700ドルを突破していた。

ビットコイン急落 リスク資産?

ビットコインは3%近く下落して9600ドル付近で推移。デジタルゴールドと呼ばれるビットコインだが、金と同じような安全資産としての受け皿とはなっていないようだ。

クオンタム・エコのミックス創業者のマティ・グリーンスパン氏は、ビットコインが米株式市場と原油市場と同じタイミングで反発したと指摘し、「リスク資産のような動きをしているサインだ」と述べた

対照的に仮想通貨トレーダーのアレックス・クルーガー氏は、ビットコインをリスク資産とも安全資産とも呼ぶことを拒否した。

(出典:Alex Krüger 「米国ハイテク株(左上)、米国債(右上)、金(左下)、ビットコイン(右下)」)

クルーガー氏は、新型コロナウイルスが蔓延する際、米国ハイテク株と米国債、金の動きには強い相関があるが、ビットコインは「マイペースで」動いたと指摘。ビットコインと「リスク資産」との相関関係は頼りにならないことを示していると解説した。

新型コロナウイルスをめぐっては、仮想通貨マイニング機器製造の遅れや供給網の乱れ、輸出規制などで中国のマイニング業者に打撃を与える可能性があり、中期的にマイニング業界の勢力図を塗り替える可能性もあるという見方も出ている

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