米内国歳入庁(IRS)の諮問委員会は、仮想通貨取引の税制について追加的なガイドラインを出すよう要請した。10月24日のレポートの中で言及している。米議会からも仮想通貨税制のルールを明確する声は上がっており、来年4月の米国での確定申告に向け、仮想通貨税制を巡る議論が活発化するとみられる。

IRSは2014年に既にデジタル通貨に対するコメントを出しており、その中では財産として扱うことを勧告しているが、今回レポートを出した情報報告プログラム諮問委員会(IRPAC)は仮想通貨税制に関して見直しを検討すべきであるとしている。

仮想通貨業界では仮想通貨取引の「税制上の取り扱い」について依然として不明確だと、レポートは指摘している。諮問委員会は、現在の課税スキームの取り巻く主な疑問点について列挙している。

「多くの企業および税務当局は、依然として仮想通貨取引の税務上の取り扱いについていくつかの疑問点が存在している。例えば、仮想通貨を特定の外国金融資産と見なすことはできるのか?仮想通貨が販売されているという根拠をどのように決定するのか?仲介業者の仮想通貨取引には適用されるのか?」

さらにIRPACは、レポートの中で、18年4月のファンドストラットの調査を引用している。その調査では、仮想通貨取引による表に出ていない税債務が最大250億ドルにのぼる可能性があると見積もっている。

ファンドストラットの調査から、IRPACは米国における仮想通貨取引による税債務の少なくとも50%が申告されなかった可能性があると推定している。

また諮問委員会は、一部の仮想通貨投資家が外国の仮想通貨取引所や匿名性の高い仮想通貨の取引を利用して、税金を回避していた可能性があることを認めている。こうした点から、報告書では、米国の規制当局は外国の政府や企業とも協力し、情報収集する必要があると指摘している。

今年9月、米議会でもIRSに対して仮想通貨税制のガイドラインを示すよう要請している。米議会の議員らはIRSに対して書簡を出し、4年前の仮想通貨税制のガイドラインが時代遅れであり、ルールをより明確にするよう求めた。