米商品先物取引委員会(CFTC)のクリストファー・ジャンカルロ委員長は、2008年の金融危機への対応を巡り、当時にブロックチェーン技術を活用できていたなら、はるかに有効な対応ができていただろうとの見方を示した。
ジャンカルロ委員長は6月3日、イタリア・ローマの同国国家証券委員会(CONSOB)で行ったスピーチ、「The New Futurism: 21st Century Financial Markets, Technology and Regulation(新たな未来志向:21世紀の金融市場、技術、規制)」の中でブロックチェーンと2008年の金融危機に触れた。
同氏は当時、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の取引プラットフォームを運用しているGFIグループのウォール・ストリート・シニアエグゼクティブを務めていた。リスクの中心にいた経験から、もし、規制当局が大手金融機関のブロックチェーン基盤の取引台帳へアクセスできていたならば、「個々の取引ポートフォリオを再生成するために個別のデータを集める」という複雑で煩雑な作業を強いられることはなかっただろうとし、以下のように述べた。
「もし10年前に、規制当局が個別の分散型台帳のブロックチェーン技術にアクセス可能であったならば、ウォール街のデリバティブエクスポージャーの情報の基盤にどれほどの違いがあったことか。最低でも、後に続いたような混乱した対応ではなく、より迅速に、より多い情報量で、より調整のとれた行政介入が可能だっただろう」
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版