米消費者金融保護局(CFPB)は、ノンバンクのデジタルウォレット及びアプリ提供事業者を監督下に置く規則の提案を行った。この規則は、同機関による消費者報告、消費者債権回収、学生ローンサービス、国際送金、自動車金融に対する監督範囲を拡大する動きの一環。

この規則により、銀行や信用組合などの預金機関における既存の監督役割が強化される。この規則は、ペイパル、アップル、アマゾン、グーグル、メタなど、年間80321回以上の取引を扱う企業に適用される。CFPBは声明で次のように述べている

「ビッグテックを含む、消費者金融市場で活動する企業は、銀行と支払いを分けていた従来の線を曖昧にしている。CFPBは、このような境界線の曖昧さが消費者をリスクにさらす可能性があると認識している。」

CFPBのロヒト・チョプラ氏は、この規則が「規制上の抜け穴の一つに対処する」と述べた。

同機関によると、デジタルアプリはクレジットカードやデビットカードと同程度のユーザーを持っているが、預金保険やプライバシー、消費者権利の保証といった保護が現在不足している。すでにテクノロジー企業に対する執行権限を持っているが、この規則によって監督役割が拡大されることになる。

提案された規則は特に、連邦法と一致するように「資金」の定義を仮想通貨資産に拡張すべきだと指摘しており、小売購入や証券や商品の売買に対する資金の移動を対象としている。

この規則は、主に仮想通貨の小売使用に適用され、法定通貨での仮想通貨の購入や売却、及び異なるタイプの仮想通貨間の交換は対象外とされる。

CFPBは数ヶ月にわたりこの規則案の準備を進めてきた。6月には多くのモバイル支払いアプリに預金保険がないと警告を発していた。チョプラ氏は9月に米国の支払いシステムにおけるビッグテックの役割について批判的な見解を示し、先月のスピーチでもその反対意見を繰り返していた。