米軍は長年にわたり、運用強化のためにさまざまな設定でブロックチェーンを試してきた。そして今、米空軍が、予算編成と会計処理のプロセスにブロックチェーンを採用しようとしている。

プレスリリースによれば、米空軍は、軍のキャッシュフロー、およびサプライチェーンの品質と管理を追跡・監視するためのブロックチェーンベースのシステムを開発するため、ブロックチェーン・アズ・ア・サービス・プラットフォーム「シンバ・チェーン」に協力を求めた。「デジタル・ブロックチェーン・バジェッティング・アカウンタビリティ・アンド・トラッキング(DiBaT)」 と名付けられたこのプロジェクトの目的は、米空軍のサプライチェーン予算内のすべてのドルをトークン化すると共に、請求センター、購買チーム、サプライヤー間の資金移動を追跡することである。

プレスリリースによると、DiBaTは「シンバ・ブロック」を利用して、安全、ゼロトラスト、かつ改ざん不能なブロックチェーンで資金を追跡・監査する。これにより米空軍上層部は、資金がどこで利用されており、配分・支払いシステム内で現在どのように位置づけられているのか、確認できるようになる。また、サプライチェーンの可視性や、購入する資材の透明性も高まる。

シンバ・チェーンのジョエル・ネイディグ共同創業者兼社長はコインテレグラフの取材に対し、同社と米空軍は、このプロジェクトが透明性と効率性に有益な影響を与えると同時に、頻繁に取得する物品の投資収益率を判断するのにも役立つことを期待していると述べた。また、次のように付け加えた。

「我々は過去4年にわたり、空軍とさまざまな実装で協力してきた。試験段階や概念実証の段階から、より本番に近い環境へと移行できることに、興奮している。空軍は間違いなく、国防総省のブロックチェーン採用におけるリーダーである」

19年、米空軍はサプライチェーンの安全性確保に協力してもらうためシンバ・チェーンを選定し、ブロックチェーンビッグデータ管理スタートアップ「コンステレーション」とも提携した。米海軍は11月、「ヘルスネット」と呼ばれるブロックチェーンベースの物流システムを構築するため、コンセンサス・ネットワークスと150万ドルの契約を結んだ。昨年は宇宙軍が、軍の衛星の1つを打ち上げる際に特別に設計された、非代替性トークン版のパッチとコインをリリースすると報道された