英国で仮想通貨先物やオプション取引、差金決済取引(CFD)といった仮想通貨デリバティブを禁止する規制が6日から施行された。

この規制は、英国の金融行動監視機構(FCA)が2019年10月に案を発表し、1年間の検討を経て、2020年10月に正式に決定していた。FCAは、仮想通貨デリバティブは個人投資家に重大な損失を与えるリスクがあると主張していた。

デリバティブ禁止の規制が1月6日から施行されたことを受け、英国の自主規制団体「クリプトUK」のイアン・テイラー会長は、コインテレグラフに次のようにコメントしている。

「規制当局は明らかに消費者保護にフォーカスしており、それは当然のことだ。デリバティブはレバレッジを可能にする。これは投資家の利益を拡大することにもなるが、同様に損失が拡大することにもなる。FCAは、十分にリスクを理解していない個人投資家が、重大な損失やボラティリティにそらされることを懸念している」

しかし、テイラー氏は、FCAが想定する仮想通貨デリバティブの個人投資家というものが、あまりにも単純すぎると批判している。テイラー氏は、FCAは全面禁止ではなく、一般の差金決済取引に課せられた制限のように、より厳しいレバレッジ規制を選択することもできたはずだと述べている。

禁止措置により、投資家が海外の仮想通貨デリバティブサービスに移行する可能性もあり、英国で提供されていた商品よりもさらに大きなリスクにさらされる可能性もあるだろう。

一方で、英国の仮想通貨や株式などのマルチアセット取引プラットフォームeToroのアナリスト、サイモン・ピーターズ氏は、英国での仮想通貨投資に悪影響を与えるという懸念には反論している。

「eToroを通じて英国の顧客と仕事をした経験では、ほとんどの人は、CFDなどのデリバティブを取引するのではなく、実際の暗号資産を保有したいと考えている。彼らは、暗号資産を保有することの有用性を認識しているからだ」

実際、英国での仮想通貨の採用は増加しているようだ。2020年6月、FCAは成人人口のうち、仮想通貨を所有している人数は260万人であると推定している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン