スイス金融機関最大手であるUBSグループは19日、競合のクレディ・スイスを約30億スイスフラン(約32億ドル)相当の株式交換で買収することで合意したことを発表した。

英フィナンシャルタイムズによると、UBSは3月18日に10億ドルのオファーを出していたが、この提示額はクレディ・スイスの取締役会によって否決されたという。Companies Market Capのデータによると、3月17日のクレディスイスの市場価値は約80億ドルで、今回の買収額は半分未満になる。

また、取引の一環として、スイス国立銀行(SNB)はUBSに1,000億ドル以上の流動性ラインを提供することを約束した。FTによると、この取引はSNBとスイス金融市場監督局(FINMA)の影響を大きく受けたという。

さらにスイス当局は、UBSに対し、買収で発生する損失に対する政府保証を90億ドル与える。

クレディ・スイスの救済計画には、債券保有者への損失も含まれることになる。この動きは、欧州の金融部門に対する投資家の信頼を損なうという欧州規制当局の懸念を招いた。

UBSとクレディ・スイスは、クレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ国立銀行が、規制のために投資を増やさないとインタビューに答えた後、3月15日から規制当局との協議が続いた。この発言により、同行の収益力に対する懸念が高まり、株主からの資金調達の可能性についての懸念が高まった。

クレディ・スイスは1856年、スイスの鉄道の拡張に必要な資金を調達するために設立された。同国で2番目に大きな銀行とされていた。