決済サービス企業Adyenとライドシェアリング企業UberのCEOは、テスラと同じようなビットコイン購入の道をたどっていないが、それには様々な理由があるようだ。

米経済メディアCNBCの”Squawk Box”のインタビューで、UberのCEOであるダラ・コスロシャヒ氏は、ビットコインへの投資についての議論は「すぐに却下された」と述べている。コスロシャヒ氏は、投資ポートフォリオの一部をビットコインに置き換え、テスラの例に倣うかどうかという質問に答えている。

「私たちは現金を安全に保つつもりだ」と、コスロシャヒ氏は述べている。「私たちは投機的ビジネスではない。私たちの会社の利点とは、私たちが構築するビジネスだ。私たちが何に投資するかではない」。

コスロシャヒ氏のコメントは、Uberの財務を考えると興味深いものだ。テスラは190億ドル以上の現金を持ち、これらの資金の約7.7%をビットコインに投資したわけだが、HyperChartsのデータによれば、Uberは2020年第4四半期で560億ドルの現金を持っている(過去3年間キャッシュフローはマイナスであるにも関わらずだ)。

Uber cash flow. Source: HyperCharts

オランダを拠点とする決済サービス企業Adyenの共同創設者兼CEOであるピーター・ファン・デル・ドーズ氏は、ビットコインの支払方法としての需要は低いと考えている。ビットコインをはじめとする仮想通貨のボラティリティの高さのためだ。

「ビットコインは支払方法というよりも投資資産だ」と、ファン・デル・ドーズ氏は述べている。「ビットコインの価値の変動の大きさが、支払方法として役に立つとは思えない」とも付け加えている。

Adyenとは異なり、Uberのコスロシャヒ氏は、Uberの月間7800万人のアクティブユーザーが、支払手段としてビットコインもしくはほかのトークンを使う可能性があると考えているようだ

私たちは、取引用の通貨としてビットコインもしくは仮想通貨を検討している。…そこに利益がある場合、そこに必要性がある場合、私たちはそれを実行するだろう」

テスラが今週15億ドルのビットコイン購入を発表して以降、多くのテクノロジー企業の幹部が、イーロン・マスク氏と同じようにビットコインを買うかどうかを質問されている。JPモルガンのストラテジストは、ビットコインの高いボラティリティのため、企業が仮想通貨を価値の保存手段として採用することの障害になると指摘している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン