アラブ首長国連邦(UAE)の証券・商品委員会(SCA)は4日、新たに発表した文書の中で、イニシャル・コイン・オファリング(ICO、仮想通貨で広く資金調達する手法)のリスクについて投資家らに警告を発した。
SCAはこの文書の中で、ICOの資金調達キャンペーンに関与している投資家らは、すべての関連リスクを想定すべきだと強調している。デジタルトークンを基盤とした資金調達活動はUAE政府による規制の対象外であり、詐欺が行われた場合でも法的な保護を受けられないためである。
SCAは、流通市場におけるICOトークンの変動率が大きいこと、ICOでの売り出しの詳細が誤解を招くものであったり監査を受けていなかったりすること、多くの個人投資家の間で潜在的なコストと利益への認識が一般的に低いこと、などの重大なリスクを指摘している。
更に、SCAは国外のICOへの投資のリスクにも言及した。文書の中では、ICOを行う国外企業が適切に法規制を遵守しているかを立証すること、および、UAE国外に出た後の投資資金の動きを追跡することは難しい可能性があると述べられている。
UAE政府が自国民に対してICOのリスクについての警告を行うのは、同国金融サービス規制庁(FSRA)が17年10月にICOと仮想通貨の双方に関するガイドラインを発行して以来、2度目のことだ。