米下院議会がステーブルコインに関する法案の枠組みを示す新たな草案を公開した。数日後に4月19日に同議題に関する公聴会が開かれる。草案ではテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などを発行する仮想通貨企業テザーとサークルによるステーブルコイン発行者の監督を、連邦準備制度が担当することとなっている。

ステーブルコインとはドルなど特定の資産に裏付けされるか、需給に基づいて供給量を調整するアルゴリズムを用いることで価格の安定性を投資家に提供しようとする仮想通貨の一種で、2014年のBitUSDのリリースを皮切りに導入された。

草案によれば、ステーブルコインを発行しようとする保険付き預金機関は連邦銀行機関の監督下に置かれ、非銀行機関は連邦準備制度の監督下に置かれることになる。登録を怠ると最大5年の懲役と100万ドルの罰金が科せられる。米国外の発行者は米国内でビジネスを行うために登録を求められる。

承認要件としては、ステーブルコインの発行者が米ドルや連邦準備制度の紙幣、満期90日以内の国債、満期90日以内の国債を担保とする満期7日以内のリポ取引などで裏付けされた準備資産を維持する能力が挙げられる。また、技術的専門知識や確立されたガバナンスを持ち、ステーブルコインを通じた金融包摂とイノベーションを提供する利点を示す必要がある。

サークルのCEOジェレミー・アレール氏はツイッターで「インターネット上のデジタルドルが安全に発行、裏付け、運用されるように、二大政党の深い支持が明らかに必要だ」とのべている。

コインテレグラフはテザーにもコメントを求めたが、すぐには回答を得られなかった。

また、草案では実質資産に裏付けられていないステーブルコインの発行や創出、オリジネーションに2年間禁止することが含まれている。さらに、財務省が「内生的担保ステーブルコイン」に関する研究を行うことも規定されている。

草案による定義によれば、内生的ステーブルコインとは「固定価格を維持するために、同じ発行者が作成または維持する他のデジタル資産の価値にのみ依存する」ものである。

また、草案では米政府がステーブルコイン間の相互運用性に関する基準を設定することが認められている。さらに、議会とホワイトハウスが連邦準備制度によるデジタルドル発行に関する研究を支持することが明記されている。