米国のドナルド・トランプ大統領は、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の仮想通貨部門責任者であるブライアン・クインテンツ氏を商品先物取引委員会(CFTC)委員長に指名する意向を示している。

2月12日のブルームバーグの報道によると、トランプ大統領の意向はホワイトハウスから議会へ送られた文書で明らかになった。

クインテンツ氏が正式にCFTC委員長に就任すれば、仮想通貨業界に対してより友好的な政策を推進し、証券取引委員会(SEC)に代わる主要な規制機関としてCFTCを確立することを目指すと予想される。

同じ文書では、トランプ大統領がジョナサン・グールド氏(法律事務所ジョーンズ・デイのパートナー)を米通貨監督庁(OCC)の長官に指名したことも明らかになった。OCCは米国内のナショナルバンクを監督する規制機関である。

さらに、トランプ大統領は、2月11日に連邦預金保険公社(FDIC)を辞任したジョナサン・マッカーナン氏を消費者金融保護局(CFPB)の新たな長官に指名した。

クインテンツ氏のCFTCでの実績

クインテンツ氏は、2016年から2020年までの第1次トランプ政権でCFTC委員を務めた経歴を持つ。

彼は在任中、デジタル資産のデリバティブおよび仮想通貨関連商品の規制枠組みへの統合を強く支持した。

2024年3月には、ゲンスラー委員長率いるSECのイーサリアム(ETH)の法的扱いに対する対応を批判している

クインテンツ氏は、SECがETHの先物ETFを承認した2023年10月の時点で、ETHが証券ではないことを明確に認めていたと指摘し、「もしSECがETHの規制上の扱いに疑問を持っていたのなら、ETFを承認することはなかったはずだ」と述べた。

a16zは2024年11月に、「新たなトランプ政権下で仮想通貨規制が見直されることで、より柔軟な実験が可能になると期待している」と述べていた

a16zは仮想通貨業界で最大手のベンチャーキャピタル投資会社であり、これまでにメイカー(現スカイ)やソラナ、アバランチ、アプトス、ナンセン、オープンシー、コインベースなど多くの仮想通貨関連スタートアップへ資金提供を行っている。