11月の米大統領選挙を控え、政治をテーマにしたミームコインが急騰している。しかし、選挙後に関心が低下しても、これらのコインは生き残れるのだろうか。

2024年の仮想通貨取引市場ではミームコインが大きな注目を集めており、ジョー・ボーデン(BODEN)やMAGA(TRUMP)といった政治系トークン(PolitFi)が他のミームコインカテゴリーを上回るパフォーマンスを残している。

多くの市場ウォッチャーは、これらのコインが今後2カ月以内にピークを迎え、選挙後には勢いを失うと考えている。

仮想通貨トレーダーのクリプト・ランド氏はコインテレグラフに対し、「ハイプの勢いが消えると、流動性も消える。流動性の欠如は簡単に投資家を罠にかける」と警告した。

この仮説は時期尚早かもしれない。適切なトークンは、予想される落ち込みを乗り越え、選挙後にも成長する可能性があるとする意見もある。

ロバート・F・ケネディ・ジュニアの選挙活動に携わり、「メイク・アメリカ・ヘルス・アゲイン(MAHA)」を開発したカイル・ケンパー氏は、。新たなユースケースを開発し、ミームコインにさらなる価値を加えることができれば、「選挙後もPolitFiミームコインには確実に未来がある」とコインテレグラフに語った。

「PolitFiは単なるミームコインを超え、キャンペーントークンや候補者専用トークン、運動主導の仮想通貨といったより本格的なアプリケーションに進化する可能性がある」とケンパー氏は話す。

しかし、現実にはほとんどのミームコインは進化する前に消えてしまうだろう。

ミームコインの寿命の短さ

クリプト・ランド氏は、ミームコインは堅実なファンダメンタルズや実用性ではなく、ソーシャルメディアでの感情とハイプに大きく依存して価値を生み出すと指摘する。急速な成長には、ほぼ避けられない急激な衰退が伴う。「ミームコインの寿命は3カ月を超えることはめったにない」とクリプト・ランド氏は語った。

2024年以降、ミームコインの97%が消滅した. Source: Chainplay memecoin report 2024

クリプト・ランド氏によれば、95%の投資家はミームコインを純粋なギャンブルとみなしており、長期的に保有する意図はほとんどない。これはつまり、米国での選挙の終わりが現在のPolitFiブームの終わりを意味するということだ。ただし、ドナルド・トランプ氏が勝利した場合は別だ。

「トランプが選挙に勝てば、ミニシーズンが始まり、最後のダンスが始まるだろう」とクリプト・ランド氏は言う。ただ、同氏は「大多数のPolitFiミームコインは価値ゼロになるだろう」と考える。

新しいユースケースを発明できるか?

ケンパー氏は、政治をテーマにしたミームコインは「まだ始まったばかり」だとし、資金調達や草の根運動への参加を促し、政治活動への継続的な関与を育むために使用される可能性があると語った。「それらは政治と金融の未来において強力なツールとなる」

MAGAミームコインによる寄付. Source: X

ワイス・レーティングスのリサーチエディター、ジュリカ・ドゥイモビッチ氏も、米国の選挙後も一部の政治系ミームコインが生き残る可能性があるとし、明確な実用性を提供できるかどうかにかかっていると語った。「これらのコインの運命は、当初の前提を超えて進化し、具体的な実用性を開発したり、持続的なコミュニティを育成したりする能力に大きく依存する」

ニコラス・パッシーノ氏は、トランプをテーマにしたMAGAコインを作成したMAGA MEME PACの共同創設者であり、「PolitFiトークンは単一の選挙に代表されるよりもはるかに大きく広範な運動を表している」と語った。「特定の政治運動を支援しようとするトークンは、長期にわたって存続するだろう」

共通のイデオロギーや投機的な野心によって動かされる強力なコミュニティを持つコインは、選挙サイクルを超えて存続する可能性があるとドゥイモビッチ氏は語った。

共通のイデオロギーに基づくコミュニティ

ドゥイモビッチ氏は、政治系ミームコインは新しい形の政治的表現を提供し、個人が「言葉に行動を伴わせる」ことを可能にすると考える。また、帰属意識を提供し、政治的関与をゲーム化することで、適切に刺激されれば強力なネットワークを作り出すことができると語った。

しかし、クリプト・ランド氏が指摘するように、「開発者はあらゆる種類のミームコインを毎週数十個立ち上げている」という状況では、手っ取り早く金儲けをするために発行される政治系ミームコインのほとんどはイデオロギーを目的としている可能性は低いだろう。

分散型取引所アグリゲーターのデータによれば、毎日4万~5万の新しいトークンが作成されている。この数字は、バイラルなハイプが高まる期間には10万に達することもある。

ソラナはこれらの立ち上げに最も人気のあるブロックチェーンで、毎日1万7000~2万の新しいトークンが立ち上げられている。

Top 15 chains by the number of memecoin pools launched daily as of March 29, 2024. Source: DexScreener 

ケンパー氏は、いわゆる「カバルコイン」、つまり内輪の集団が立ち上げたプロジェクトが定期的に価格を吊り上げては売り抜けることを繰り返すコインが存在すると指摘する。彼は「これらの主な目的は、内部者だけが利益を得るための高度なツールを使用して価値を創造し、抽出することだ」と語った。

純粋な政治的背景を持つプロジェクトをカバルコインから選別することは困難だ。その中で、トレーダーは長期的な実用性を示すプロジェクトを探さなくてはならない。

ドゥイモビッチ氏によれば、クリエイターにとって重要なのは、長期的な関与とコミュニティの関心を持続させることができる人物やアイデアを中心にコインを構築することだ。トランプ氏のブランドはその極端な存在感から、このようなコインの候補だろう。

「ミームの王」としてのトランプ

政治をテーマにしたミームコインの中で、元大統領のドナルド・トランプ氏をテーマにしたものが市場を支配している。

Meme about Trump-themed memes. Source: X

ケンパー氏は、ほとんどの政治系ミームコインがトランプ氏に関連しているのは、彼のポピュリスト運動とその背後にある強力なミーム主導のコミュニティによるものだと語った。トランプ氏のメディアの注目を集める独自の能力と世論を喚起する力は、自然に投機的なトークンのテーマとなる。「トランプ氏の個性とソーシャルメディアでのバイラルさは、ミームコインに最適だ」という。

ドゥイモビッチ氏は、トランプ氏の対抗馬であるカマラ・ハリス氏が、ミームコイン市場でトランプ氏と同じレベルの投機的熱狂を生み出していないと指摘する。

パッシーノ氏は、バイデン氏やハリス氏に関連するPolitFiミームで大きな利益を上げることはできないとし、「彼らは仮想通貨が象徴するものの対極にある」と述べた。

それでも、これらの政治家を茶化すコインも投機的機会を生むものもある。バイデン氏をテーマにしたパロディミームコインのBODENは、先月120%の急騰を示した。

Parody meme from BODEN. Source: X

ドゥイモビッチ氏は、トランプ氏が2021年に退任した後もアメリカの政治に影響を与え続け、他の政治家には存在感を保っていると指摘する。

他の政治家も政治家のキャリアが復活し、再びスポットライトを浴びると、さまざまなミームコインが関心を取り戻す可能性があるとドゥイモビッチ氏は語った。例えば、ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、大統領選挙から撤退した後、政治キャリアを再開するかもしれない。トランプ氏はケネディ氏に閣僚ポストを提供する可能性を示唆している。

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