シンガポール拠点のWeb3企業トライデント・デジタル・テック・ホールディングスは、リップルが開発した仮想通貨XRPを最大5億ドル規模で準備金(トレジャリー)として保有する計画を明らかにした。
トライデントの創業者兼最高経営責任者(CEO)であるスン・ファット・リム氏は声明で次のように述べた。
「この取り組みは、資本配分および国際的な価値移転の手段として、ブロックチェーン技術が持つ変革的可能性への当社の信念を反映するものだ。トライデントは、この構想を通じて、上場企業が分散型金融の発展に対してどのように慎重かつ責任を持って関与できるかを示したいと考えている。」
トライデントは、単なるXRPの買い持ち戦略をとるのではなく、ステーキングなどの運用メカニズムを活用して利回りを得る方針であり、リップルのエコシステムと深く関与していく意向だという。XRP準備金の立ち上げは、規制および市場環境に応じて、2025年後半を予定している。
しかし、発表当日の6月13日、同社の株価は37.6%急落した。
2024年12月時点の同社の財務状況は厳しく、純損失は310万ドルとなっている。売上は前年比91.4%減少し、営業費用は同期間で101.3%増加している。
トライデントは、XRP準備金の資金調達について、新株発行、戦略的な割当、その他の金融手段を通じて行う予定だという。
トライデントの動きは、他の企業によるXRP準備金構築の発表と歩調を合わせる。中国のAI企業Webusは3億ドルをXRPに割り当てる方針を示しており、ヴィボパワーは1億ドル、ウェルジスティクス・ヘルスは5000万ドル規模のXRP準備金を計画中とされる。
XRPがビットコイン、ソラナに並ぶ準備金資産に浮上
こうしたXRP準備金の拡大によって、XRPはビットコイン(BTC)やソラナ(SOL)と並ぶ「企業による準備金対象」として注目を集めている。
ビットコインについては、企業による準備金保有の先駆けとなった仮想通貨だ。2020年8月にマイクロストラテジー(現ストラテジー)が先陣を切って以来、メタプラネットやセムラー・サイエンティフィックなどが続いている。
一方、ソラナの準備金化は2025年に入り勢いを増しており、DeFiディベロップメント(旧ジャノーバー)やSOLストラテジーズといった企業がソラナを大量に取得。今後の成長を見越した戦略的保有が進んでいる。