サッカーのイングランド・プレミアリーグの「トッテナム・ホットスパー」が、サポーターのエンゲージメントを高めるため、ブロックチェーン技術を活用してWeb3ファントークンを発行する。

トッテナムは、チリーズ・ブロックチェーン上に構築されたファンエンゲージメントプラットフォーム「Socios.com」を通じてファントークンを発行する。同プラットフォームは、世界中の80以上の主要スポーツチームを引きつけている。

このプラットフォームは、チームがファントークンやデジタルコレクティブル、様々な報酬を発行・管理することを可能にし、ユーザーはお気に入りのチームに関して分散型自律組織(DAO)のように意思決定に参加できる。

新たな発表によれば、SPURSトークン保有者は、チームについてのオンチェーン投票に参加することも可能となる。またトッテナムは、試合中に選手が着用したジャージのオークションを促進し、チリーズブロックチェーンで認証するプラットフォーム「MatchWornShit」とも提携する。

Tottenham Hotspur’s official announcement of its fan token. Source: Socios.

トッテナムのコマーシャル・セールス・ディレクターであるライアン・ノリス氏は、ファントークンが既存の会員制度を基に、「新たなクラブ関連の報酬と体験」を提供するだろうとコメントした。

チリーズのアレクサンドル・ドレフュスCEOは、トッテナムとの話し合いが2022年から進行中であったとコインテレグラフに語った。また、クラブはSocios.comを使用しながら、将来的にはファントークンを自身のロイヤルティプログラムとモバイルアプリに統合するだろうとも述べた。

SPURSトークンは10月4日に発行予定で、チリーズトークンをサポートする仮想通貨取引所に上場される。

マンチェスターシティ、アーセナル、アストン・ヴィラ、エヴァートン、リーズ、クリスタル・パレスといった他のプレミアリーグのチームも、ブロックチェーンを通じてファントークンを発行している。チリーズのドレフュス氏は、仮想通貨の弱気市場のため、過去1年間ではファントークンのオンボーディングが弱含みだったとも指摘した。

ファントークンは、チームがデジタル技術を活用してユーザーエンゲージメントを推進するための重要な収益源となっている。チリーズは、そのブロックチェーンプラットフォームが2018年以降、チームとリーグに対して40億ドル以上の収益を処理してきたと推定している。

チリーズは元々ERC-20トークンエコシステムとして構築されたが、2023年5月にはBNBチェーンのフォークである自身のレイヤー1ブロックチェーンに移行した。

国際クリケット評議会も、2023年のクリケットワールドカップの間、ファンエンゲージメントを推進するためにブロックチェーン技術を活用しようとしている。同評議会は、NEARファンデーションのブロックチェーンオペレーティングシステムを活用し、Web3ファンエンゲージメントアプリを展開する。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン