人気のメッセージングアプリであるテレグラム(Telegram)は、Web3エコシステムを構築する初の計画を公表してからほぼ3年後、ついに仮想通貨ウォレットを公開した。このウォレットは、シンガポールで進行中のToken2049イベントで発表された。

この仮想通貨ウォレットはThe Open Network(TON)ブロックチェーン上で開発され、現在、世界中で800万人のユーザーが利用できる。TONウォレットがテレグラムに統合されたことで、TONコインの価格は発表により約7%急騰した。

TON財団は、TONブロックチェーン上で構築されたプロジェクトは、メッセージングアプリの広告プラットフォーム「テレグラム・アッズ」への優先アクセスを得ると語った。ウォレット機能は現在、設定内で利用可能で、今年11月には米国と一部の他国を除く全世界への展開が始まる予定だ。

テレグラムは、2019年からTONベースの仮想通貨ウォレットを統合する計画であったが、米証券取引委員会(SEC)が、17億ドルにのぼるテレグラムのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を未登録の証券であるとして訴訟を起こした。その後、2020年にはブロックチェーンを巡る構想を諦め、TON財団との関係を絶つことになった。テレグラムは、1850万ドルの罰金と未使用資金を投資家に返金するという条件でSECと和解した。
テレグラムとTON財団との再度の提携により、TON財団は、人気のあるメッセージングプラットフォーム上でWeb3インフラを構築したいと考えている。同財団は、オンボーディングの問題を解決し、すべてのTelegramユーザーに仮想通貨へのゲートウェイを作成することを望んでいる。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン