分散型取引所(DEX)のTHORSwapは、プラットフォーム上で不正資金を検出したため一時的にメンテナンスモードに入った後、運用を再開した。
THORSwapは10月12日、プラットフォームが再稼働したことをX(旧Twitter)で発表した。ユーザー自身のセルフカストディウォレットから10のブロックチェーンにわたる5500以上の資産を交換する通常のスケジュールを再開するようユーザーに求めた。
THORSwapは不正資金の潜在的な移動に対抗するための即時対策として、10月6日にプラットフォーム上でのスワップを一時停止した。THORSwapは、DEXプラットフォームが不正使用に遭遇したことを認め、解決策を見つけるために一時停止を決定した。
最新の発表によれば、THORSwapはプラットフォームに大きな変更を加えていないが、新しい利用規約を適用した。10月11日に更新されたTHORSwapの新利用規約では、ユーザーはマネーロンダリング防止などの法律を遵守し、制裁プログラムに違反する活動や不法な金融活動に関与または協力しないことに同意する必要がある。更新された規約ではまた、違反があった場合にはTHORSwapがユーザーのプラットフォーム利用を制限することがあると明記している。
仮想通貨コミュニティは、THORSwapの更新された利用規約について激しく反発し、新規則でプラットフォームの「分散型」という設定を多くの人々が疑問視した。これらの規則は中央集権型取引所のものにそっくりだからだ。「通常のCEXの代わりにあなたのサービスを利用する理由は何ですか? 利用規約をそのままコピーペーストしたのですか?」とあるXユーザーは問いかけた。
シェイプシフトの創設者であるエリック・ボーヒーズ氏によれば、THORSwapは集中化の点で、構築されたネットワークであるTHORChainとは異なる。THORSwapは「自分たちのインターフェースについて決定を下した中央集権的な企業」であり、THORChainは分散型となる。
利用規約の更新に加えて、THORSwapは「業界リーダー」とパートナーシップを結び、不正資金の流れを防ぐ追加の保護措置を施したという。プロトコルは「今後数日間で微調整が必要かもしれない」と発表に付け加えた。
THORSwapの復帰は、ブロックチェーン分析会社エリプティックが、仮想通貨取引所FTXから資金を盗み出したハッカーが約1年ぶりに資金を移動させたと報告したの同じ日に行われた。
エリプティックによれば、匿名のハッカーはTHORSwapを使って7万2500ETH(約1億2000万ドル)をビットコイン(BTC)に交換し、その後仮想通貨ミキサーであるSinbadに仮想通貨を送った。THORSwapの広報担当者は、コインテレグラフに対する声明で、FTXハッカーの資金はBTCにスワップされた後すぐに追跡できると強調した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン